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五重塔の瓦をふき替え 鬼瓦作りに挑む女性瓦職人 香川

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 香川県観音寺市にある瓦製造の会社が、四国霊場の寺にある五重塔の瓦をふき替える仕事をしています。メーンとなる鬼瓦作りを担当するのは全国でも珍しい女性の職人です。

 三豊市の四国霊場70番札所本山寺。2016年から五重塔の解体修理を進めています。  観音寺市にある瓦製造会社、請川窯業では五重塔の屋根で使うための瓦作りが進んでいます。厄除けの意味を持つ装飾瓦「鬼瓦」を作るのは山地由紀子さん、26歳です。

 山地さんのように鬼瓦などを専門に作る職人を「鬼師」と呼びます。山地さんは全国でも珍しい女性の鬼師です。

(女鬼師/山地由紀子 さん) 「五重塔は初めてですね。これは…土台からで3日4日で一応完成にはなりましたね」

 山地さんは陶芸の道に進もうと専門学校で学んでいましたが、就職活動の時地元に陶芸の仕事がなく、同じ粘土を触ることができる鬼師の道を選びました。とはいえ、陶芸の技術と鬼瓦の技術は別物。山地さんは愛媛県のベテラン鬼師の下で修行を重ねるなどしました。

(請川窯業/請川和英 社長) 「鬼(瓦)作るのも非常に信頼置けるようになったし、山地由紀子流の鬼が、1つ確立したデザインができたんでそれを見て気に入ってくれるお客さんもおります」

 本山寺五重塔の鬼瓦は20個あるうち、修理ができない3個を山地さんが新しく作ります。これまで学んできた鬼瓦と作り方が違うので、最初は戸惑ったそうです。

(女鬼師/山地由紀子 さん) 「目とかも穴を開けるんですけど、これは彫りこみだけでやってるんで、自分のオリジナルじゃなくて忠実に再現してくれっていわれたので、そこらへんはちょっと難しいですね」

 山地さんは似たような形の鬼瓦を作る職人の技を教わるため、埼玉県まで足を運ぶなど努力を重ねてきました。


(請川窯業/請川和英 社長) 「鬼師としてのいろんなレパートリーを今回の五重塔のおかげで技術確立したんで、五重塔が完成するのとともに山地由紀子さんも女鬼師として胸を張って、全国にアピールして頂きたいと思います」

(女鬼師/山地由紀子 さん) 「文化財とか寺とかの仕事をやらしてもらうのは有難いので、なかなか普通の人ができるような仕事じゃないので、そこらへんは本当にいいことだなと思います」

 完成した鬼瓦は6月の終わり頃、五重塔の屋根に据え付けられる予定です。

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