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中山間地域で自動運転の実証実験スタート 岡山・新見市

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 自動運転で動く電気自動車を使って、中山間地域で生活の足を確保するための実証実験が岡山県新見市でスタートしました。

 自動運転の車を使った実証実験が行われているのは新見市哲西町です。実験は、2020年までに自動運転サービスの実用化をめざす国土交通省が主体となって今年度、全国13カ所で行っています。新見市では、3月11日から実験を始めました。

(松木梨菜リポート) 「運行コースの道路にはこのように溝が作られていて、この中にこうした電気が通るケーブルが埋められています。そして車の下の部分にセンサーが付いていて、電流を感知してコース上を走る仕組みになっています」

 農産物などを販売している道の駅「鯉が窪」を拠点に1周、約2.2キロのコースを約20分で運行します。最高時速は19km。道路の横断時などは運転手が手動で運転しますが、基本的には自動で動きます。

(松木梨菜リポート) 「この区間は完全自動運転区間です。運転手の方は助手席に移動しましたが、ハンドルが自動で動いています。誰も運転席にいないのに前に進んでいます」

 完全自動運転の区間では片側通行に規制されています。車は7人乗りで、1日7便を運行、事前予約した市民らがモニターとして乗ります。

(乗車した市民はー) 「交通安全をよく守りますね」

 運転手がいない状態での完全自動運転をめざすため、こんな機能もついています。

(松木リポート) 「車が止まりました。車両の前についているカメラが人を察知して緊急停止するようになっているんです」

 国はなぜこうした自動運転を進めようとしているのでしょうか。

(国土交通省 岡山国道事務所/石川卓郎 さん) 「中山間地域につきましては高齢化が進んでおります。どうしてもお年寄りの方が家から出にくい状況にありますので、こういった自動運転の技術を活用することによりまして家から出やすい環境を作ってあげるとか」


 新見市哲西町の高齢化率は2月末時点で45.2パーセントで、半数近くが高齢者です。市によると、公共交通機関の一つであるバスの運行数は1日に10本未満で、土日は運休しています。

(哲西町の住民80代はー) 「90歳ぐらいになったらみんな(免許を)返納しないといけない状態だから大変困ってるんですよ。田舎の不便なところで生活してきた者にとっては」

 この地区に住む人は生活の足がないと話します。乗車したこちらの男性は、次世代の足に期待を寄せています。

「これが普及してきたら田舎の方は非常に助かるんじゃないでしょうか」 「どこでも乗ったり降りたりできるようになると免許証も早めに返して利用した方が良い感じですね」 「実現していただければありがたいです」

 国土交通省はこの自動運転サービスで農産物や弁当の配送なども行い、物流の確保にもつなげたいと考えています。

(新見市 企画政策課/西田大祐 さん) 「技術的なところは国土交通省が実験されると思いますが、地域でいいますと、たとえば自動運転が導入された場合、これに対して皆さんがいくら払っていただけるのかとか。自動運転車両を導入することで、ビジネスとして成り立っていくのかというのは一緒に検討していかなければいけないと思っています」

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