西日本豪雨から6日で7年です。倉敷市真備地区で被災した写真愛好家の女性が写真を通じて災害の記憶を語り継いでいます。
(西日本豪雨で被災/岩本光子さん)
「ここが私の家。もう帰ることはないと思う」
倉敷市真備町箭田で被災した岩本光子さん(80)。2018年7月の西日本豪雨。岩本さんは近くの息子の家に避難して無事でしたが、自宅は2階まで浸水し公費で解体しました。
(西日本豪雨で被災/岩本光子さん)
「1部屋ここにあって応接間があってちょうど真ん中辺りが玄関だった。帰りたい気持ちはあるが、今さら1人で建てて帰るわけにもいかない」
岩本さんは現在、隣町の矢掛町にある夫の実家で暮らしています。家の中には岩本さんが撮りためた写真が飾られています。
24年前、初孫が生まれたのをきっかけに本格的に始めたカメラ。今では、写真コンクールに入賞するほどの腕前です。
(西日本豪雨で被災/岩本光子さん)
「災害前に撮ったのこれが二科展で出した醍醐桜。これが入った(入選した)」
西日本豪雨の時、カメラは車に積んでいたため、無事でした。発災翌日には自宅周辺の様子をカメラに収め1カ月で撮った写真は1000枚を超えていました。
(西日本豪雨で被災/岩本光子さん)
「かがんだら手が届きそうなぐらいのところに水がある感じ。(Q.怖くなかった)そうですね。(Q.なぜシャッターを切り続けた?)やっぱりこんな状態いつまでもないから、今撮ってないとただ『(浸水がここまで)来ていた』と言葉で言っただけでは分からんから撮っておこうと思って」
岩本さんの写真にはゴムボートによる救出活動浸水した家や道路、変わり果てたふるさとの姿が記録されています。
(西日本豪雨で被災/岩本光子さん)
「どうか自分の写真を使うことで少しでも伝承とかの助けになればと思って」
6月29日、水害の教訓を伝承しようと倉敷市で開かれた講演会に岩本さんが登壇しました。
(西日本豪雨で被災/岩本光子さん)
「流れがなくてもいろいろ破れたり落ちたり、水はただ私らが考えたら来て引いただけのような感じだった。でも大変なことになってた。私も災害に遭ったからこそ人との出会いをこれからも大切にして、泣いても1日、笑っていても1日なのでこれから笑いながら毎日が送れたらと思っている」
(訪れた人は―)
「語り継いでいきたい生きた話だから、経験した人でないとぐっときて伝わるものはない」
岩本さんは今後、語り部として中学校などでも活動する予定です。
(西日本豪雨で被災/岩本光子さん)
「ずっとしてないと伝承につながらないと思う。少しでもお役に立てるお手伝いができれば」