天災ではなく、人災だと訴えています。西日本豪雨で被災した倉敷市真備町の住民が、国などに対し損害賠償を求める裁判を起こそうと会を立ち上げました
被災した住民が、8月結成した「り災者の会」の事務所です。発起人の吉田勤さんは、自らも被災しました。
(り災者の会/吉田勤さん) 「被災された方の力になりたい、これが一番です。本当に被災した人がどれくらい困っているか、その人たちを何とか勇気づけて、期待を持って頑張っていただくためにはどうしてもせんといかんなと」
吉田さんたちが、7月の豪雨の被害は人災だと考える理由の1つは、小田川の中に生えていたたくさんの木や草です。
(り災者の会/吉田勤さん) (Q.前々から問題視していた?) 「ずっと以前からです。以前から(指摘)したにも関わらず切ってなかった、それで今回慌てて切られたと思うんだけれど」
参加者の1人、難波伸一さんです。豪雨で88歳の叔母、片山千代子さんを亡くしました。
(叔母を亡くした/難波伸一さん) 「みるみるうちにもう水が来たいうて」
千代子さんの家は、決壊した末政川のすぐ近くです。
86歳の夫と2人暮らしだった千代子さんは、足が悪く2階に逃げることができませんでした。
(叔母を亡くした/難波伸一さん) 「叔母さんも生きとればもう1、2年 生きれたかも分からないし、それが寿命じゃ言えば寿命かも分かりませんけど、やっぱり災害で死ぬのと病気で死ぬのは全然違いますからね」
難波さんは、小田川の木々が事前に伐採されていたら叔母は死ななかったのではないか思い、会に参加しました。
(叔母を亡くした/難波伸一さん) 「普通の生活が早くできるように国や県には求めたいですね、今、真備町に誰もいないですから、やっぱり早くみんな帰って来てほしいと思います」
(記者) 「吉田さんは、朝から晩まで被災した家を回って会員を集めています」
(り災者の会/吉田勤さん) 「完全なる人災です。全てが役所のミス、だから人災としてこれからも戦って、私が生きとるうちに必ず判決が出るように頑張っていこうと思います」
「り災者の会」は、9月1日に設立集会を開きます。会にはこれまでに約200人が参加していて、今後は川の中の木や草が流れを妨げたことが、堤防の決壊を招いたなどとして国などに損害賠償を求める訴えを起こす方針です。