地方の交通課題の解決に役立てます。低速で公道を走る電動車両を、高齢者の新たな移動手段に活用する取り組みが、岡山県備前市で行われています。
国土交通省は、時速20キロ未満で公道を走る電動車両、グリーンスローモビリティを、地域の交通課題の解決に活用しようと、全国5ヵ所で実証調査を行っています。
備前市は高齢者の多い鶴海地区で、住民の自宅からバス停までの移動手段にグリーンスローモビリティを活用しようと、29日、実証調査を始めました。
(記者) 「家とバス停をつなぐのは、7人乗りの電動車両です。雨の日や寒い日には、雨よけカバーがおろされます」
早速、地区の住民が電動車両の乗り心地を試していました。
(乗車した住民はー) 「トロッコ列車を思い出すね」
普段通る道も景色が変わります。高齢化率45.5%の備前市では、運転免許を返納したり足が悪くて移動に苦労したりする高齢者が増えていることから、交通面の支援が課題となっています。
(乗車した住民はー) 「まぁ、楽ですね。定着してくれることを願いますね」 「足が悪く無い人たちは10分くらいで行くんだけど、私やっぱし休憩し、来るから30分はかかるんですよ家から」
外出に便利だと住民の評判は上々でしたが、実現するには課題もあります。
(運転手はー) 「実際に運行するとなったら、全くの無料ボランティアですからね。その辺は、長続きするのかなってひとつの課題がありますね」
備前市での実証調査は11月9日まで行なわれるほか「市民ふれあい福祉まつり・こども応援フェスタ」で体験乗車を行う予定です。