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新紙幣の原料に地元の「ミツマタ」を 日本一の産地復活に向けた動き 岡山・真庭市

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 再び日本一の産地を目指します。お札の原料となる植物「ミツマタ」の生産がかつて盛んだった岡山県真庭市で、産地復活をめざすプロジェクトが動き出しています。資金提供を募るクラウドファンディングも行なっています。

 今年4月9日、麻生財務大臣が2024年度から新しいデザインの紙幣を使用すると発表しました。そんな紙幣の原料となる植物の産地が真庭市にあります。

(記者) 「お札の原料となっているのが、こちらのミツマタという植物です。名前の由来は、3つに枝が分かれていることから、ミツマタと呼ばれています」

 ミツマタは中国が原産で、ジンチョウゲ科の植物です。ミツマタの枝を蒸して皮を剥いで乾かし、繊維質にしたものがお札の原料になります。

(山崎茂さん) 「一万円札が新しくできるのが楽しみです。それに今作っているミツマタが原料になればこの上ない」

 真庭市の樫邑(かしむら)地域で農業を営む山崎茂さん(68)。祖父の代からミツマタを栽培していて、山崎さんも小さい頃から手伝っていました。

(山崎茂さん) 「(Q.幼いころは?)そこらじゅうミツマタ山というか。春になったら、そこらが真黄色になり、サクラが咲く前に山が明るくなったと思ったら、黄色のミツマタの花だらけで」

 樫邑地域を含む旧美和村では1950年代、年間40トンのミツマタを国立印刷局に出荷し、国全体の約20%を占める日本一の産地でした。  しかし、担い手不足や安い外国産に押されて、この地域の生産量はピーク時の30分1ほどに減少。今では、日本の紙幣の原料はほとんどが中国や東南アジアなど外国産になっています。

 ミツマタは紙幣の原料として出荷するだけでなく、和紙の原料としても地元で使われてきました。この地域ではmミツマタでできた和紙を染料で染めた創作染和紙があるほか、小学生の卒業証書も和紙を用いています。


 山崎さんたちは、この樫邑地域を再びミツマタの日本一の産地にしようと、去年10月、農家や老人クラブ、小学校のPTAなどで実行委員会を立ち上げました。そして今年3月、この土地に2000本のミツマタを新たに植えました。

(山崎茂さん) 「少しでもこういうところを探して、苗木を植えていかないと何十分の一になってますから」

 ミツマタは植えてから出荷まで3年かかります。そこで、実行委員会では栽培管理にかかる費用を調達するため、インターネット上で支援を呼びかけるクラウドファンディングを5月15日から始めました。  創作染和紙や、美白効果があるというミツマタのエキスが入った化粧品など真庭市で作られたものが支援の返礼品になっています。FAAVO岡山のサイトで受け付けています。

(山崎茂さん) 「伝統産業のミツマタを復活させて。地元のミツマタで新しいお札ができると皆さんに思っていただけたらいい」

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