Park KSBアプリに皆さんから寄せられた疑問をもとにお伝えするコーナー「みんなのハテナ」です。今回は「秋になぜ紅葉するのか」についてです。
「秋になぜ紅葉するのか」(倉敷市 ハマーさん 28歳)
この疑問について岡山県倉敷市にある重井薬用植物園の園長・片岡博之さんに話を聞きました。
「葉っぱを落とす準備をしている。その準備というのは、細胞の切れ目が葉っぱのつけねに離層ができている」
どうやら、秋の紅葉は葉のつけねにできる離層と関係しているようです。離層とは一体!?
昼が短くなり冷え込んでくると落葉樹は冬支度を始めます。光合成などで作られる養分が減ると、樹木は、エネルギーを節約するため、徐々に葉の活動を低下させ葉を落とす準備を始めます。そして、葉の「柄」と「枝」の間に層をつくり養分などの行き場が無くなります。これが「離層」です。
離層ができると、葉に糖分が蓄積するようになり、それを原料にアントシアニンという赤色の色素ができます。
葉はもともと、葉緑素という緑色の色素とカロチノイドという黄色の色素をもっていますが、葉緑素は秋が深まるにつれ分解されます。これが葉が赤くなるメカニズムです。
ちなみに、日当たりがよい葉の方がアントシアニンがよく生成されるため、赤くなりやすいということです。一方で、紅葉した葉は赤いものばかりではありません。
アントシアニンを作らない樹木の場合は葉緑素が分解されると黄色いカロチノイドだけが残ります。
「葉っぱの中の赤色色素ができるか、それともできずに緑色の色素が減っていくだけなのか、赤色になったり黄色になったり、いろんな樹木の性質の違いで変化がある」
「なぜ『紅葉狩り』というのか?」(高松市 みいかさん 39歳)
「紅葉をとりに行くのでなく、山に入る行為そのものが、狩りと同じ歩いて山に行くことなので、紅葉見物を『紅葉狩り』と表現するようになったと言われている」
古より和歌や俳句で詠まれるなど日本人を魅了してきた美しい秋の紅葉。2022年は少し違った視点で眺めてみてはいかがでしょうか。