10月実施される消費増税で、私たちの暮らしがどう変わるのかをさまざまな角度からお伝えしていきます。今回は、増税で消費が落ち込むことがないよう設けられたキャッシュレス決済のポイント還元制度についてです。
消費者は最大で5パーセントの還元を受けられるんですが、制度がややこしく分かりづらいんです。
中小企業の小売店などでキャッシュレス決済するとポイント還元される制度。指定されたクレジットカードや電子マネー、QRコード決済などで代金を払うと最大で5パーセントのポイント還元が受けられます。このマークがついたお店が対象で来年6月までの期間限定です。
岡山市北区の地場のスーパー「グランドマート」ではQRコード決済のPayPay・LINEペイ・auペイでポイント還元制度が使えるよう申請しています。それでも増税後の「消費の落ち込み」を懸念しています。
(グランドマート/小倉卓史 社長) 「5パーセントの還元があったとしてもなかなか厳しい月になろうかと思います。弊社としては生鮮産品で勝負するしかないと考えています」
また、キャッシュレス決済自体に不安を持つ消費者が多いのも問題です。
(消費者はー) 「パソコンもしないぐらいだからそっちの方についていっていないんです」 「キャッシュレス怖いかなまだ」 Q.抵抗ある? 「抵抗がある」
また制度を利用できるのは、「資本金が5000万円以下、または従業員が50人以下」などの「中小企業」に限られています。
さらに事前に申請する必要がありますが、岡山県で9月5日までに申請した対象企業は3割にとどまっています。消費者にとってはポイント還元が受けられる店と受けられない店が混在するため、分かりにくいのが実情です。
(日本政策投資銀行岡山事務所/渡辺秀幸 所長) 「そもそも利用できる店と利用できない店が出てくることと、やはり複雑なので消費者は混乱は避けられないと思います」
大企業で、最大5パーセントのポイント還元制度が使えない岡山高島屋です。
(松木梨菜リポート) 「正面玄関入ってすぐのところに大きな看板があります。こちらでは現在5000円買い物すると、200円の買い物券を配るキャンペーンを行っています。増税後の集客を図ろうという狙いがあります」
このほかにも増税対策が。
(岡山高島屋 片山進さん) 「2週間続けて物産展を開催しようと考えています」
10月9日からは福岡・長崎展を、16日からは全国のおいしいものを集めた味の逸品展を開催します。
(片山進さん) 「集客増を物産展で、より多くのお客様に来ていただきたい」
ポイント還元の恩恵を受けられる中小企業と、受けられない大手企業。専門家は競争が活発化するとみています。
(日本政策投資銀行岡山事務所/渡辺秀幸 所長) 「大手事業者の方も中小事業者の方がポイント還元を受けますので、対抗策として実質的な値引きを打ち出してくると思います」
ややこしいポイント還元制度が、価格競争の引き金になるのかもしれません。