サラダなどに使われる高級野菜「エンダイブ」の需要が大きく落ち込んでいます。岡山県赤磐市の生産農家も一部を破棄するなど、厳しい状況となっています。
赤磐市の農家、小坂公夫さん(79)です。小坂さんが栽培している「エンダイブ」は「にがチシャ」と呼ばれ、ほのかな苦味が特徴です。
(記者) 「エンダイブは葉をまとめて光を当てないことで軟白化し、甘みを増す高級野菜です。しかし、新型コロナの影響で買い手が付いていないということです」
「軟白」とは葉を束にまとめて内側に日が当たるのを遮り、白くさせる作業です。
手間ひまかけて栽培されたエンダイブは主に首都圏に出荷され、一玉600円で取り引きされることもある高級野菜です。
しかし新型コロナウイルスの影響で、首都圏のレストランなどが休業し、需要が激減。赤磐市の山陽エンダイブ部会では3月と4月の売り上げが2019年の4分の1、480万円まで落ち込みました。
(山陽エンダイブ部会/藤原芳雄 部会長) 「相場からしても(一箱)2500円から3000円していたが、400円、500円、約4分の1だな」
部会ではエンダイブの出荷量を制限していて、小坂さんも苦渋の決断を迫られました。
(小坂公夫さん) 「出荷制限で抜かないといけない。せっかく育てたものを…」
小坂さんは全体の3分の1、約1500玉を廃棄しました。新型コロナウイルスが一刻も早く収束し、エンダイブの需要が元に戻ることを願っています。
(小坂公夫さん) 「高級野菜で全国に通っているので全農に頑張ってもらって、一般でも高く売れるようにやってもらいたい」