新型コロナウイルスの影響で岡山特産の野菜もピンチです。岡山が全国有数の産地で主に首都圏に出荷されていた黄ニラやパクチーも飲食店の休業で大きな影響を受けています。農業の傍ら、自ら広告塔として「地産地消」をPRしてきた男性が思いを語りました。
ど派手な黄色いつなぎを着て農作業に取り組む男性。岡山市北区で黄ニラとパクチーを栽培している植田輝義さん(45)です。
畑ではパクチーの白い花が咲いて、収穫の時期を迎えています。
(記者) 「収穫の時期を迎えた植田さんのパクチーです。独特の爽やかな優しい香りがします」
植田さんはこれまで首都圏を中心に出荷していて、全生産量のうち黄ニラは約6割、パクチーは約8割を占めていました。
パクチーブームなどもあり、順調に出荷量と売り上げを伸ばしていましたが、新型コロナウイルスの影響で大きく流れが変わりました。
(黄ニラ・パクチー農家/植田輝義さん) 「主に黄ニラとパクチーは首都圏に出荷していたので、首都圏(の飲食店)がストップしたことで野菜の行き場がなくなってしまったという大きな影響を受けた」
首都圏以外の販路を確保し、通常より安く売ることで破棄することは避けたものの、3月と4月の売り上げは前の年と比べて約4割も落ち込みました。
植田さんは2008年から「黄ニラ大使」として岡山県内各地で「地産地消」を訴えてきました。自ら動き出した背景には「過度な首都圏依存への危機感」がありました。
(植田輝義さん) 「新型コロナウイルスの影響を受けて12年前から地産地消の活動をしてきたが、改めてまだまだ活動が足りなかったと反省した」
17日、岡山市で岡山産の野菜のドライブスルー販売が行われました。収入が減って困っている農家を支援しようと洋食店が企画したもので、予約した客が車で訪れ野菜を受け取っていました。
植田さんも黄ニラとパクチーのセットを販売しました。
(植田輝義さん) 「新たな活路、一つの光が見えたし、こういった取り組みがもっともっと一歩ずつ広がっていけば、農家もレストランも消費者に安心安全に(野菜が)届けられると思う」
(植田輝義さん・記者) 「黄ニラだけに皆さんに気に入られるように、パクチーもパクパクと食べてもらえるよう頑張ります」