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治療すればするほど赤字…「銀歯」の材料費高騰で歯科医院が“悲鳴” ロシア侵攻で影響拡大

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 歯の治療に使う銀歯の材料となっているレアメタル・パラジウムの価格が上昇し、歯科医院は治療すればするほど赤字となる状態に陥っています。ロシアによるウクライナへの侵攻がさらに影響を拡大させています。

(記者リポート)
「こちらが虫歯の治療に使う銀歯ですが、1つ作るごとにおよそ500円の赤字だということです」

(緑川歯科医院/緑川皓明 院長)
「材料代に限って言うと入れるごとにマイナスになっている」

 岡山市北区の緑川歯科医院では、毎月20人ほどが虫歯の治療で銀歯を使っています。

 銀歯は銀や金、パラジウムなどの合金でできています。こちらの医院によりますと、銀歯を1本作るのに約3グラムのパラジウム合金を使っています。

 現在、銀歯1本当たりの国が定める医療費は約9500円。一方、材料費はここ数年の高騰で約1万円になっていて、赤字状態となっています。

(緑川歯科医院/緑川皓明 院長)
「2020年ごろにいっきに倍ぐらい上がった印象。今回ウクライナ情勢を受けて、上がっている分がさらに上がってきていて、そこが大きくなるといろんな経費を見直す必要が出てくる」

 財務省の貿易統計によりますと、高騰しているパラジウムはロシアから約4割を輸入しています。

 2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻に伴って、供給への不安などからパラジウム合金の価格はさらに上昇し、1月からの2カ月で約3割値上がりしました。(岡山県保健医協同組合のデータ)

 岡山県内の医師や歯科医が加盟する岡山県保険医協会では、材料費と医療費との差がさらに開き、赤字幅が増えることを懸念しています。

(岡山県保険医協会/暮石智英 理事)
「我々はどうすんだという話となる。こんなことは1つも考慮されていない」

 また、日本歯科医師会は3月15日、国に対して必要な措置を講じるように要望書を提出しています。

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