岡山県備前市の2月定例市議会が20日に始まり、マイナンバーカードを取得した世帯の給食費などを無料にするための条例案が提出されました。
(備前市/吉村武司 市長)
「給食費、学用品、保育料の納付免除など、市が政策的に実現する補助金等を、市民の皆さまがマイナンバーカードを取得するインセンティブとして位置付けることとしました」
20日に開会した備前市議会には、一般会計で約217億円の新年度当初予算案など56の議案が提出されました。
備前市は現在、小中学校の給食費と教材費や、保育園の保育料などを無料にしています。
提出された議案には、新年度から園児・児童・生徒の世帯全員がマイナンバーカードを取得した場合に限り、給食費や保育料を免除することができる条例案も含まれています。
無料化に伴う財源について、2022年度は国の新型コロナ交付金を充てましたが、新年度はふるさと納税をもとにした基金から約2億2300万円余りを捻出するとしています。
また、条例案とは別に吉村市長は、世帯全員がマイナンバーカードを取得した場合、小中学生に給食費と同額の「昼食代」を、夏休みや休日に電子地域ポイントで支給する方針も示しました。
提出された議案は常任委員会を経て3月23日の本会議で採決されます。
(備前市/吉村武司 市長)
「相互の利益につながることから、この取り組みは、お願いを含めたメッセージとしてご理解いただきたい」
一方、マイナンバーカードと教育を紐付けることに反対する市民グループが20日、市長宛てに署名を提出しました。
(子ども達への平等な教育・保育を求める実行委員会/松下香 共同代表)
「マイナンバーカードによる差別を無くしてほしいという皆さんの声です、無料にするようにしてくださいと求めています、この気持ちを受け取ってください」
集まった反対署名はオンラインを含めて4万6134人分で、このうち備前市民は2000人弱だということです。
(子ども達への平等な教育・保育を求める実行委員会/松下香 共同代表)
「カードを脅迫しているものだから、そのやり方が許せない。この声がぜひ、市長や議員さんのところへ届いてほしいです」