2012年に岡山操山高校の男子生徒が自殺した問題で、岡山県教育委員会が再発防止策の「方向性」を示しました。第三者調査委員会による調査結果の報告から、2年が経っています。
2012年7月、岡山市の岡山操山高校で野球部のマネジャーだった当時2年生の男子生徒が、監督から厳しい叱責を受けた後に自殺しました。
当時、学校や岡山県教育委員会は、監督の指導と自殺の因果関係は不明としていました。
しかし、遺族の要望で設置された第三者調査委員会が2021年3月、「監督の叱責が自殺の大きな要因だった」と結論付けました。
この調査結果や遺族の意向を踏まえ、県教委は、15日に開かれた岡山県議会の常任委員会で、再発防止策の「方向性」を説明しました。
教職員らの不適切な指導やハラスメントについて、生徒・保護者が助けを求められるよう啓発する「教育ビデオ」の作成や、より厳しい懲戒処分の指針を策定することなどを盛り込んでいます。
また、生徒の自殺が起きた場合には、3日以内をめどに、教職員や関係の深い生徒に聞き取りを行うこと、詳しいを調査を行う組織は外部の有識者で構成することなども示されています。
(岡山県教育委員会/鍵本芳明 教育長)
「方向性という形で今回示しましたけれども、できるだけ早く具体の方向性を示して、有識者の意見をいただきながら、来年度中には具体の取り組みが進められるように進めたい」
遺族は報道宛ての文書で「調査が完了してからもうすぐ2年が経ちますがようやくその『方向性』が取りまとめられた通過点に過ぎません。実効性のある再発防止策の早期策定に向けた関与を継続していく必要性を強く感じています」とコメントしています。