2012年に岡山操山高校の男子高校生が自殺した問題で、岡山県教育委員会が生徒の遺族と面談を行いました。
県教委は第三者調査委員会で報告された自殺の原因や対応の遅れについての指摘を認めました。
(岡山県教育委員会/鍵本芳明 教育長)
「9年間という長きにわたりましてご遺族にもご心労をお掛けをしたということ、この辺が大きな反省をすべきところ」
遺族との面談には、岡山県教委の鍵本芳明教育長と岡山操山高校の武内洋二校長らが出席しました。
2012年7月、岡山市の岡山操山高校に通う野球部のマネジャーだった2年生の男子生徒が、野球部監督から厳しい叱責(しっせき)を受けた後に自殺しました。
遺族からの要望を受け県教委は2018年に第三者調査委員会を設置。2021年3月、調査委員会は監督の叱責が自殺の大きな要因であったと結論付けました。また、学校や県教委の初期の対応は「保身」であり、調査委員会の設置が「あまりにも遅すぎる」と指摘しました。
県教委は3日、遺族に対して監督の激しい叱責が自殺の原因となったことや、県教委が遺族に寄り添った対応をできていなかったことを認めました。そして、こうした問題が起きた原因への県教委としての見解を示しました。
県教委は今後、面談の中で遺族から指摘された不十分な点を改めて説明するとともに、関係者の処分についても検討するとしています。
(岡山県教育委員会/鍵本芳明 教育長)
「今後の再発防止策等をしっかりやっていくことによって、信頼を回復していかなければいけないと考えております」
これを受け男子生徒の両親は会見を開き、「事案発生理由の説明がなく、十分な説明にはほど遠い」と話しました。
(生徒の父親は―)
「現在も遺族の心情に寄り添った対応をいただけていないと感じております。いくら願っても息子が戻ってくることはありませんが、指摘や事実関係などを一点も落とすことなく、無くすことなく岡山の教育に生かしていっていただけたらいいな」
(生徒の母親は―)
「息子は自分のためにというよりも人のためにという気持ちが高い子だったので、死んだこと、良くはなかったかもしれないですけれど、これから未来の人にとってより良い方向に向かっていく行動が私たちにできるのであれば、きっと褒めてくれているだろうな。そういう声が聞こえてきそう」