岡山市でワインを造る男性が書いた本が「料理本のアカデミー賞」と呼ばれる世界的な賞にノミネートされました。
雑草が生い茂る畑で作業するのは「自然派ワイン」の醸造家、大岡弘武さんです。
大岡さんは無農薬で育てたブドウを使ってワインを造っています。このとき酸化防止剤は使っていません。
大岡さんは自然派ワインの醸造家として「ニューヨーク・タイムズ」に取り上げられるなど、世界的な知名度を誇っています。
(大岡弘武さん)
「私はいいブドウがあれば、誰でもワインが造れると思っているところがあるので、いかにしていいブドウを作るかの方が大事だと思っているんですが、みなさん、どうしても醸造のときに秘密があるんじゃないかと思われるので、普通に私がやってること、考えていることを書いたつもりです」
2021年9月、大岡さんは本を出版しました。それが「大岡弘武のワインづくり」です。
前半には19年間住んだフランスを離れて岡山でワイン造りを始めた経緯が。後半にはブドウの育て方やワインの醸造方法などが書かれています。
(大岡弘武さん)
「これが、フランスのブルゴーニュ地方から、私がオークションサイトで見つけて交渉して買ってきた100年ぐらい前の昔ながらのプレス機になります」
本には、このプレス機を長年使っていた老夫婦が、涙ぐみながら大岡さんに引き渡すエピソードも登場します。
(大岡弘武さん)
「私の造っているワインは、自然派ワイン造りということで、昔ながらの伝統的な方法をそのまま受け継いでいる。エピソードの面白さもあるんですけど、それ以上に昔ながらの方法がワインの品質のためにはこれがいいんだよというところを分かってほしくて、こういうエピソードを(本に)盛り込んでいます」
その大岡さんの本が今回、「グルマン世界料理本大賞」のワインに関する部門にノミネートされました。1995年に創設された賞で、世界中の料理や飲み物に関する本の中から各部門のグランプリを選出します。
「料理本のアカデミー賞」とも言われていて、2023年は約230の国と地域が参加、1000以上の書籍などがノミネートされています。
(大岡弘武さん)
「私は本を書くことが本業ではないですし、自分のやってきたことをそのまま書いただけなんですけども、それを評価していただいたというのは非常にうれしく思います」
審査の結果は、日本時間の27日、スウェーデンで発表されます。