政府は健康保険証を2024年12月に廃止しマイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に一本化する方針です。しかし「マイナ保険証」を巡るトラブルが相次いでいて、アンケートに答えた香川県の医療機関のうち8割以上が「今の健康保険証を残してほしい」としています。
(松木梨菜リポート)
「こちらのクリニックにもマイナ保険証を読み取るための端末がありますが、ほとんど利用されていないということです」
(へいわこどもクリニック/中田耕次 医師)
「非常に少ない、月に数件(の利用)。(子どもの場合は)乳児保険証を提示しないといけないので、手間が同じということじゃないですかね」
政府は健康保険証の新規発行を2024年12月2日に終了し、「マイナ保険証」に一本化することを2023年12月に閣議決定しました。
廃止後1年間は猶予期間として現行の健康保険証も使えるとしていますが――。
(マイナ保険証[持っていない]/保護者)
「いい印象がない、トラブルとか。見切り発車になってほしくないなって感じはしています」
(マイナ保険証[自分のみ持っている]/保護者)
「私は持ってるんですけど子どもは持ってない。ニュースとか聞いてると、不信感を抱いてしまって」
香川県の開業医らでつくる県保険医協会は2023年12月に県内の72の医療機関にアンケートを行いました。
マイナ保険証によるトラブルが「あった」と回答した医療機関は約6割でした。最も多かったトラブルは「名前や住所で●が表示される」というもので約7割が答えました。(※複数回答可)
他人の情報が紐付けられていたというものもありました。
トラブルの対応は「その日、持ち合わせていた健康保険証で確認した」という回答が最も多く、医療機関の約8割を占めました。(※複数回答可)
そして8割を超える医療機関が「今の健康保険証は残すべき」としています。
厚生労働省によるとマイナ保険証の月ごとの使用率は8カ月連続で低下していて、2023年12月は4.29%でした。
(へいわこどもクリニック/中田耕次 医師)
「それはもう(今の健康保険証を)残してほしいですよね。小児科の場合、患者数が多いですから、混乱したら診療に手間取るし、現場の声も聞いてほしいと思います」