収穫時期を迎えている梅に異変が起きています。岡山県津山市のある梅農家はこれまでにないほど「不作」だと話します。いったい何が起きているのでしょうか。
(記者リポート)
「例年ですと、こちらのようにしっかりと実が付いて垂れ下がっているものが多いということですが、今年はこちらのようにまばらに実がなっている枝が多くなっています」
津山市の梅農家、大山正志さん(78)はこの土地で約半世紀、南高梅を栽培しています。
例年はこの時期が収穫の最盛期となりますが……。
(梅農家/大山正志さん)
「例年にない。びっくりするほど少ないです。平年の3分の1くらい」
大山さんは、2023年の猛暑で木が弱った可能性があると考えています。
津山市では2023年8月の平均気温が27.9℃と過去最高を記録しました。
また、暖冬で花が通常より早く咲いたものの、その後の冷え込みでハチの活動が鈍く、受粉が進まなかったのではないかとも言われているそうです。
さらに大山さんはあることに頭を悩ませています。
(梅農家/大山正志さん)
「ひょうの害でこんな傷がいっぱいある。これは全然出荷できない」
大山さんは例年2000kgほどの梅を出荷していましたが、2024年は約600kgにとどまる見込みです。
さらに、大山さんは6月、梅干しなどの「漬物」を製造販売する際の衛生基準が厳格化されたことでも影響も受けています。
大山さんはこれまで塩だけを使った昔ながらの梅干しを毎年100kgほど作ってきました。しかし、厳しい基準を満たすには新たな設備投資が必要なことなどから、2024年は梅干しを作らないそうです。
(梅農家/大山正志さん)
「まだまだ頑張るんだという元気もなくなってきた。楽しみながら、果物づくりを楽しみながらやるのが精一杯」