岡山県津山市の特別養護老人ホームで職員から虐待を受けたなどとして、元入所者の親族が施設を運営する法人や責任者に損害賠償を求めている裁判が始まりました。
訴えを起こしているのは、津山市の特別養護老人ホーム「愛和荘」の元入所者5人の親族です。
訴状などによりますと、5人は2018年から2021年の間、介護中に職員から怒鳴られたり、殴られたりするなど、日常的に虐待を受けていたとしています。5人はすでに亡くなっていて、このうち4人が不適切な介護で亡くなったと訴えています。
原告側は、施設を運営する社会福祉法人「愛和会」とその理事長に、合わせて約1億1800万円の損害賠償を求めています。
4日の裁判では意見陳述が行われ、母親を亡くした原告の福井清美さんが「介護中に母親がベッドから転落して頭を打ち、異状がみられたにもかかわらず、施設側は適切な救護をしなかった」などと述べました。
(原告/福井清美さん)
「言いたいことは言いました。母の無念が晴らせたらいいと思います」
原告側の代理人弁護士によりますと、施設側は答弁書で請求棄却を求めていて、争う姿勢をみせているということです。