Park KSBアプリに寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。今回のテーマは「呉服」です。5月29日は、ご・ふ・くで「呉服」の日だそうです。「呉服」のハテナについて高松市の呉服店に聞いてみました。
高松市にある創業約80年の「ふくや呉服店」。洋服や着物を販売しているほか、日本の伝統文化を知ってもらおうと着付け教室や茶道教室なども開いています。
多田美枝子店長に呉服に関する疑問を聞いてみました。
呉服の定義って?(新見市 こにーみ 39歳)
(ふくや呉服店/多田美枝子 店長)
「諸説あると思うんですけど私が聞いているのは中国の呉の国から伝来した絹織物が入った時のあれで、現在は呉服っていうのは着物全般、和装に対する反物全般を示しているみたいな気がしますね」
呉服は初め、現在の中国である「呉」の国から伝来した絹織物のことを指し、今では和装に用いられる全ての布地を指すようになったそうです。だから「着物」は呉服じゃないんですね。
(ふくや呉服店/多田美枝子 店長)
「着物というのは、形になった今着ているような着物、帯とかそういうなものになるかなと思う。仕立てあがったもの。着物っていうのは」
着物の保管の仕方を教えてほしい(高松市 Y.K 51歳)
(ふくや呉服店/多田美枝子 店長)
「着物はたたんで『たとう紙』に入れて、たんすの中で保管していただくのが一番いいかなと思う」
たとう紙は布地を守る役目を果たしてくれるそうです。
着物をたたむときのポイントは……
(ふくや呉服店/多田美枝子 店長)
「おくみはおくみ同士合わす、見頃は見頃同士合わす、襟は襟同士合わす、お袖はお袖同士合わす。きちっとした、たたみ方をしていただいたら大丈夫」
保管するときの注意点は素材によって異なるそうで……
(ふくや呉服店/多田美枝子 店長)
「ウールなんかは虫によく食われるので、ウールの場合は必ず防虫剤を入れていただく」(※同じ種類の防虫剤を使用)
防虫剤を入れる時は着物に防虫剤がくっつくのを防ぐため、なるべく、たとう紙の上かたんすの隅に入れるといいそうです。絹の着物は湿気に敏感なので除湿剤をいれることがおすすめだそうです。さらに、たんすは内部の湿度を一定に保つことや防虫などのため、「桐」のたんすがいいそうです。
夏の和装と言えば、浴衣ですが、2025年一押しの浴衣を多田店長に聞いてみました。
(篠原茉那リポート)
「まだ5月ですけど一気に夏を感じています、今」
(ふくや呉服店/多田美枝子 店長)
「今はやりの『へこ』。へこ帯になるんですけどね、それもかわいく結んでもらっているし、飾りの帯締めがポイントで、ピンクが入っているのがすごくチャーミングに仕上がっていると思います。それとかんざしも白で飾っているので統一感、コーディネートがばっちりいけているかなと思う」
最近は淡彩なデザインで、洋服感覚で着られるものが好まれているそう。
着なくなった和服の再利用は?(高松市 ひでちゃん 50歳)
「ふくや呉服店」は着る機会がない着物をリメイクしています。かわいらしい、うちわのデザインのコースターです。
(ふくや呉服店/多田美枝子 店長)
「これは女の人の浴衣(生)地だと思いますね。これは絞りの着物からできている」
着物でできたサクラの形のティーマットや、喪服と着物でできた傘もあります。
(ふくや呉服店/多田美枝子 店長)
「日本の伝統工芸だと思うんですよね。だから、なるべくそのものを生かすようなものに作ってほしいなと。もう着ないんだったらね」
時代とともに形を変えて受け継がれていく呉服。
(ふくや呉服店/多田美枝子 店長)
「手入れとか、保管とかが大変と思われる方がいるので、最近はレンタルで卒業式とか成人式以外にも入学式、七五三とかにも皆さん着て、記念日を晴れやかにお写真におさめられていますね」
みなさんなりの呉服の楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。