視聴者の皆さんの疑問に答える「みんなのハテナ」です。今回は「台風」についてのハテナです。
台風はどのように発生する?(赤磐市 えいる 42歳)
答えてくれたのは、高松地方気象台の防災気象官、河田耕一さんです。
(高松地方気象台 防災気象官/河田耕一さん)
「台風は主に熱帯から亜熱帯にかけての暖かい海で発生します。海水温が26~27℃以上になりますと、大量の水蒸気が発生しまして、上昇気流が発生して、それで上昇気流が雲を形成すると。この雲が発達して渦を巻く。これは地球の自転の影響によるものなんです。これが発達すると強風域や暴風域を持った台風になる仕組み」
なぜ中心には雲がない?(新見市 ばいくまん 38歳)
台風の中心には晴れているエリア、いわゆる「台風の目」がありますが……。
(高松地方気象台 防災気象官/河田耕一さん)
「水を張って、その真ん中に手を突っ込んで反時計回りに回転させると遠心力が外側に働いて真ん中に空洞ができます。それと同じで台風も外側に遠心力が働いて真ん中に空洞ができる」
遠心力で雲が外側に吹き飛ばされるので真ん中が晴れるんですね。
進路はどのように決まるの?(坂出市 みよまま 59歳)
(高松地方気象台 防災気象官/河田耕一さん)
「台風は自分で動くことができませんので、大体上空の風に乗って進んでいく」
そのほか、太平洋高気圧を避けるなどの特徴があるそうです。そのうえで、台風の進路は、気温や風速などのデータをもとに気象庁がスーパーコンピュータを使って予測しています。
香川県は被害が小さい?(高松市 あほる 58)
(高松地方気象台 防災気象官/河田耕一さん)
「香川県は南に四国山地が連なっていて、南から来る台風については、四国山地が台風の勢力をある程度弱めてくれる。中国山地と四国山地がある程度台風の勢いを弱めてくれるような働きがある」
周りの地形によって台風の勢いが変わってくるんですね。
なぜ夏に発生するの?(総社市 キノリ 42歳)
2024年、東かがわ市などの住宅で床上浸水や床下浸水が発生した台風10号。これは8月のことでした。河田さんによると、例年8月と9月に台風は多く発生する傾向にあるそうです。
(高松地方気象台 防災気象官/河田耕一さん)
「海水温と太陽の影響によるものが大きいですね」
夏場は海水温が高くなるため、台風が発生しやすい条件がそろうんですね。
過去に最も早く発生した台風1号は何月何日でしょう?
台風は、その年に発生した順番に1号2号…と番号が振られるんですが、過去に最も早く発生した台風1号は1月1日でした。台風が発生する日本よりも南の海では、1月でも海水温が高いため、発生することがあるそうです。
ちなみに発生したのは2019年。ただこの時は日本に上陸していないので、知らない人が多いと思います。
日本に上陸した台風のうち最も早かったのは、1956年4月25日。逆に最も遅かったのは1990年11月30日でした。
気象条件によって規模なども大きく変わる台風。油断せず備えることが大切です。
(高松地方気象台 防災気象官/河田耕一さん)
「今まで大丈夫だったから今回も大丈夫という油断が被害の拡大につながっていく。ハザードマップなどを活用していただいて、避難場所や土砂災害や洪水の浸水想定区域図の確認などをしていただきたい」
(2025年8月21日放送「News Park KSB」より)