岡山県瀬戸内市の国立ハンセン病療養所、「長島愛生園」に体験型の展示施設が21日、オープンしました。
オープンしたのは、ハンセン病や療養所の歴史などについて学べる「でんしょう愛生館」です。
山本典良園長や入所者自治会長の中尾伸治さんらがテープカットをしてオープンを祝いました。
使われなくなった病棟を改装した施設で、広さは約1600平方メートルです。
入所者が最初に訪れた部屋を再現した場所や、約40人の入所者の証言を聞くことができる場所など9つのエリアに分かれていて、ハンセン病問題について入所者の人生を追体験しながら知ることができます。
長島愛生園では入所者の平均年齢が89歳を超え、今は、中尾さんが唯一の語り部を務めています。
「ハンセン病問題をこれからも伝えていきたい」という入所者の気持ちを酌んでできた施設です。
(入所者自治会/中尾伸治 会長[91])
「みなさん方に見ていただけるようになりました。ちょっとほっとしています。語り部もいなくなってきたので目で見て、ハンセン病のことを分かってもらえれば。偏見・差別がないようなそういうことになってほしいなと思います」
(長島愛生園/山本典良 園長)
「いろんな投げかけを世間にしたいなと思っています。将来、日本に生まれてくる子どもたちがここに来て人権学習ができるのであればそのような形にしたい」
「でんしょう愛生館」は午前9時半から午後4時まで開館し、月曜日は休館です。