香川県さぬき市の志度寺で1日、創建1400年を記念して、人間国宝らが瀬戸内にまつわる唄や祝い唄などの舞を奉納しました。
四国八十八カ所の一つに数えられる志度寺。3日午後4時まで本堂が一般公開されました。
2025年で創建1400年となるのを記念して、11月1日、上方舞吉村流の最高顧問・吉村ゆきそのさんや人間国宝の井上八千代さんらが舞を奉納しました。
高松市出身で市の観光大使も務める吉村ゆきそのさん、91歳。志度寺に舞を奉納するのは、五重塔の完成を祝って以来50年ぶりです。
この日のために自ら作詞した「補陀落山 志度寺讃」を含めた3つの演目を披露しました。志度寺の歴史を語りながら、扇や鈴を使ったおおらかな「手振り舞」を披露しました。
(上方舞吉村流/吉村ゆきその 最高顧問)
「(志度寺の)1400年もの歴史というのはすごいものだと(思う)。私は立ちもせず動きもせずにここで手振りで観音様に申し上げたいことが言えるように舞いたいという風な思いで(舞った)」
吉村さんの呼び掛けで人間国宝の京舞井上流家元・井上八千代さんもこの日参加し、祝いの舞として披露される地唄「菊」を舞いました。
娘の井上安寿子さんは、志度寺に伝わる藤原不比等とその妻の悲劇を描いた地唄「珠取海女」をダイナミックな動きで表現し、参加者や来賓が静かに見守っていました。