岡山県で唯一の女子校「清心中学校・清心女子高校」と、唯一の男子校「関西高校」がともに2027年4月からの共学化を発表しました。
岡山県では全ての高校が共学になります。背景と今後の行方を探りました。
少子化で生徒数の確保が困難に
倉敷市の清心中学校・清心女子高校。1886年に岡山女学校として創設された伝統校です。共学になるのは2027年4月から。今の高校1年生が3年生になったタイミングです。
(高校1年生は―)
「女子だけっていう空間の清心の今までの雰囲気が変わっちゃうのかなって悲しく思います」
「部活動にも男の子が入ってくることになると思うので、それでちょっと学校が活気づくのかなと思って、今よりも活気づくのかなっていうところが楽しみです」
「社会に出たら結局男子とも関わっていくことになると思うので、性別に関係なくいろんな人と関わり合えるようになるんじゃないかなと思います」
共学化の背景にあるのは「少子化」です。
(清心中学校・清心女子高校/松沢克彦 校長)
「高校は1998年ぐらいから、中学校は2000年ぐらいから、かなり早い段階で急激に全体の児童・生徒数が減ったころから定員を上回れない状況が続いている。生徒数の確保という切実な必要に迫られている」
岡山県教育委員会によりますと、中学校を卒業する見込みの生徒数は1989年3月の3万2514人をピークに減少し、2026年3月は1万6746人でピークの半数ほどです。
学校側は、これまで新たなコースの設置や制服の刷新などで生徒数を確保しようとしましたが、劇的な増加にはつながりませんでした。
(清心中学校・清心女子高校/松沢克彦 校長)
「(Q.岡山県から女子校がなくなることについて)男子が苦手という生徒もいるので、そういった人たちの受け皿ということを考えなかったわけではありません。正直、私どもとしては申し訳ないと思うところがある」
共学化で「男女協働」へ
一方で、「共学化は多様な価値観を学べる学校づくりを進めるため」とも強調します。
(清心中学校・清心女子高校/松沢克彦 校長)
「これからは社会においてもそうですが、学校においても男性・女性それぞれがお互いの特色を出しながら協働して取り組んでいくという、そういった場がふさわしいのではないかというふうに考えております」
同じく2027年4月に共学になる岡山市の関西高校も「男女協働など社会の変化を踏まえたもの」としています。
全国でも共学化が進む
文部科学省の「学校基本調査」によりますと、女子のみが通う私立高校と男子のみが通う私立高校の数は年々減っています。
2000年度から2025年度にかけて女子のみは410校から231校に、男子のみは177校から78校に減りました。合わせて278校の減少です。
一方で、男女ともに在籍する私立高校の数は増えています。2000年度には725校でしたが2025年度は999校。274校の増加です。男子校や女子校の共学化が進んでいると推測できます。
山陽学園 共学化に手応えも「男女比に課題」
岡山市の山陽学園中学校・高校はかつて女子校でしたが2020年に共学になりました。
(山陽学園中学校・高校/豊岡秀明 校長)
「定員を充足するという状態がなかなか難しいところがありました。そうした中で将来的なことを見通した決断で共学化ということへ舵を切ることにしました」
共学になる前の10年間で高校の入学者数が定員の200人を超えたのは1度だけ。
しかし、共学になってから3年連続で定員を超え、2023年度からは定員を50人増やして250人にしました。
(女子生徒は―)
「授業とかでやっぱり女子だけじゃなくて男子の意見とかも聞けるからいろいろ楽しいです」
「文化祭とか体育祭とかが男の子がいた方が楽しいかなって思います」
(男子生徒は―)
「共学のいいところは、やっぱり男女で関われたりとか恋愛とかもできちゃうんで、そこがいいかなと思います」
(山陽学園中学校・高校/豊岡秀明 校長)
「共学になって女子も増えているんですよ。生徒の行動を見ていると幅であったり厚みとか広がり、これが前に比べて加わっていると思いますね」
共学化の手応えを感じる一方、男女の比率が課題だと話します。現在、男子生徒の数は全体の3割ほどですが、4割まで引き上げたい考えです。
(山陽学園中学校・高校/豊岡秀明 校長)
「男女比が違うとクラスをまとめてやるときに体育の運営なんかがやっぱりちょっと課題が出るんですね。(他の授業でも)男子のグループ、女子のグループ(の人数)が近ければ効率的な科目編成、講座の開設もできたりすると思います」
専門家「共学でも場面によって男女別に」
岡山市出身で教育とジェンダーに詳しい昭和女子大学・現代教育研究所の友野清文さんは「共学であっても場面によっては男女別になることが考えられる」と指摘します。
(昭和女子大学 現代教育研究所/友野清文さん)
「(男女で)興味の持ち方が違うとか、あるいは学び方が違うっていうのもあったりしまして。授業は(男女)別で学校行事とかは一緒にやる、そういう学校もあったりしますので、そういうのも一つのヒントになるかもしれないですね」
少子化への対応、そして、性別への配慮や理解。新たな未来を描く時期が来ていると言えそうです。
(2026年2月16日放送「News Park KSB」より)