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【特集】危険ドラッグ事故の加害者男性が出所 娘を失った遺族の新たな苦しみ 香川・善通寺市

 2014年、香川県善通寺市で危険ドラッグを使った男が運転する車にはねられ、当時11歳の女の子が死亡しました。7月30日、加害者が刑期を終えて出所しました。遺族には新たな苦しみが生まれています。

 善通寺市の秋山隆志さん(56)。12年前、当時11歳だった一人娘の実久さんを亡くしました。8月9日、その胸中は穏やかではありませんでした。

(実久さんの父/秋山隆志さん)
「本当にいろんなことが頭を巡ります。すごく不安な日々を過ごしているのが今の現状です」

 2014年1月29日、小学校から下校中だった実久さんは対向車線から直進してきた軽自動車にはねられました。

 頭をフロントガラスに打ち付けられ意識不明の重体に。9日後、病院で息を引き取りました。

 運転していた男は事故の直前に危険ドラッグを使っていて、危険運転致死の罪で服役しました。

(実久さんの父/秋山隆志さん)
「実久をはねた犯人が釈放されたという通知書です」

 秋山さんが不安な日々を過ごす原因となったのは、実久さんをはねた男性が懲役12年の刑期を終えて7月30日に出所したという高松地方検察庁からの通知でした。

(実久さんの父/秋山隆志さん)
「とうとうこの日が来たというような思いで。すごく複雑な気持ちになりました。もしかしたらどこかで会うかもしれないっていう不安感」

 実久さんが亡くなって10年が経ったころから、秋山さんには不安な気持ちが芽生えていました。

(実久さんの父/秋山隆志さん・2024年)
「(加害者の男性と)もしどこかですれ違ったりとか姿を見かけたりすることがすごく怖くて」

 加害者の男性は事故当時、秋山さんと同じ善通寺市に住んでいました。秋山さんは出所した男性と顔を合わせるかもしれないと思い始めていました。

(実久さんの父/秋山隆志さん・2024年)
「心が休まらないっていうか、ずっと被害者であり続けるっていうのがこれだけつらいものなのかっていうことをすごく思い知らされます」

 そうした中、秋山さんは被害者や遺族の思いを事件の加害者に伝え更生につなげようという「心情等伝達制度」を利用して、受刑中の男性がどんな反省をしてきたか、実久さんや遺族にどんな思いを持っているかなどについて質問しました。

 刑務所から届いた文書には「申し訳なく思っています」「出所後、実久さんの前で直接謝りたい」などと書かれていました。

 そして、2025年2月、今度は男性から直筆の手紙が届きました。

(実久さんの父/秋山隆志さん・2025年2月)
「文章の書く順番、書く内容、本当に心情等伝達制度のときの内容とほぼ一緒です。果たして謝罪文として受け止めていいのかっていうのはどう判断すればいいのだろうという感じですね」

 手紙には「一生償います」などと書かれていましたが、具体的な方法は書かれていませんでした。そして、以前はあった「直接謝りたい」という言葉はなくなっていました。

 実久さんが亡くなってから飼い始めた愛犬の「そら」。「そら」との散歩は秋山さんにとって大切な時間です。

(実久さんの父/秋山隆志さん)
「何も考えずそらと2人だけで歩けるので自分としてはいい時間かなと思っています」

 こうした日常の中で加害者の男性と会うかもしれない。不安な気持ちの一方で、会ってみたいという思いも抱いています。

(実久さんの父/秋山隆志さん)
「一生償いますっていうふうな言葉があるのであれば、本当にそれを思っているのであればどのような気持ちでそれを私たち、実久に特に実久にどのようにしていくのかっていうのを聞いてみたいと思います」

 会うかもしれないし会わないかもしれない。謝罪に来るかもしれないし来ないかもしれない。

 難しい状況の中で、秋山さんが男性に望むことがあります。

(実久さんの父/秋山隆志さん)
「(加害者の男性は)本人が死ぬまで人を殺めたっていう、車によってですけど、殺めたっていう気持ちをずっと持ち続け、反省しながら生きていってもらいたいなと思います」

KSB 報道
執筆:KSB報道
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