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価格高騰で飲食店“悲鳴” 秋サケ不漁の救世主に?“鮮度抜群”陸上サーモンの秘密

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 サケ好きの皆さん、安心して下さい。不漁、不漁と伝えられるなか、食卓に救世主が登場です。

■価格高騰で飲食店“悲鳴”

 今が旬、北海道産の「秋サケ」。古来から食されてきた“秋の味覚”の代表です。

 サケは産卵のため秋に川を遡上(そじょう)しますが、その直前にとれたものがおいしいといわれています。

 ところが今、食卓に欠かせない秋サケに危機が…。

割烹峰屋2代目店主 高澤慶長さん 「毎年のように値段が上がっている。これからどうなっていくか心配」

 仕入れ値が去年よりも2割から3割、上がっているといいます。価格高騰の要因は、秋サケの不漁が続いていたことです。

高澤慶長さん 「これから秋サケの本格的なシーズンに入っていくので、お客さんの需要が増えていく。なのに今年はとれる量が少ない、これから金額が上がっていくのではと心配」

 秋サケが水揚げされる北海道の漁港では、先週まで不漁が続き、2日に1回しか漁に出られない状況でした。

 今週に入り、ようやく好転の兆しが…。

石狩湾漁業協同組合 西川浩司さん 「先週よりは増えてきたので若干、数は増えている兆し。例年通りでいけば10月頭は盛漁期なのでとれるんじゃないかと」

■「秋サケ不漁」をサーモンが救う?

 ただ、首都圏の魚市場には秋サケが十分に届いていません。

吉豊商店 吉種昌彦さん 「秋サケの卵、すじこ、生のすじこ」

 鮮魚店にあったのは、イクラのもととなる「すじこ」。ところが…。

吉種昌彦さん 「秋サケはきょう全然、入荷がなかった。いつもこの辺に並ぶが、その代わりにタスマニア産のサーモン」

 全く入荷できなかった秋サケの代わりに、オーストラリアのタスマニア沖で養殖されたサーモンが。

 今や回転寿司のネタとして人気ナンバー1のサーモン。市場の食堂でも、タスマニア産の養殖サーモンが提供されています。

三代目田久保食堂 西内大店長 「サーモンを使うのは年間を通して安定して仕入れられるメリットがある。秋サケだと秋だけ」

 天然のサケは火を通す必要がありますが、養殖のサーモンは生でも食べられるのが大きな違いです。

西内大店長 「タスマニア産のサーモンは年間通して価格が安定していて、一回高くなった時もあるけど今は意外と落ち着いている。味は脂のバランスがすごく良い。脂が多すぎず、味も安定感があって良い」

 今シーズン序盤は秋サケの不漁が続いたなか、需要が高まっているサーモン。国産の養殖サーモンも、劇的な進化を遂げています。

■都心まですぐ!陸上サーモンの秘密

 こちらの生サーモンは海ではなく陸上で育った、その名も「おかそだち」です。千葉県木更津市の山の中にその養殖場がありました。

FRDジャパン 小林真理さん 「こちらが陸上養殖で育てている『おかそだち』サーモン」

 およそ1年かけて育てたサーモンが泳いでいます。独自の濾過(ろか)システムで水道水を循環させることで、陸上での養殖が可能に。そのメリットは…。

小林真理さん 「陸上養殖は、消費地に近い所で作ってすぐに出荷する意味では、鮮度を極限まで高めた状態で届けられるのがメリット」

 輸送コストを押さえ、鮮度を保ったまま国内に流通。都心まで最短1時間で配送できます。

 すでに首都圏のスーパーや飲食店、回転寿司チェーンなどで「おかそだち」の養殖サーモンが販売されています。

買い物客 「(Q.海ではなく…)そうなの、知らなかった。良いと思う」

 鮮度が抜群だからこそ、ぷりっと引き締まった味わいに。

小林真理さん 「新しく陸上養殖の業態が世界に広がることで、アジアでも海が遠い所でも魚を育てられるようになってくると、これから不足してくるたんぱく質の供給源としても大きな役割を果たすと思っている」

 現在は年間およそ30トンの出荷ですが、3年後には生産量を3500トンまで上げ、量産化する計画だといいます。

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