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「時速194kmで事故」は危険運転? 検察側と弁護側で主張対立

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 時速194キロで起こした事故は過失運転か、それとも危険運転なのか。注目の裁判が始まりました。

■「時速194キロで事故」は危険運転?

 亡くなった男性の遺族をサポートする団体が作った「夜に時速194キロで走行する車の再現動画」。車内からの目線もあります。遺族たちは194キロの危険性を訴えているのです。

 そして、最長で懲役7年の過失運転致死ではなく、懲役20年の危険運転致死での判決を望んでいます。

 大分地裁では、2021年に大分市で時速194キロで車を運転して事故を起こし、小柳憲さん(当時50)を死亡させた危険運転致死罪に問われている当時19歳だった男の裁判員裁判が今月5日から始まりました。

 被告は裁判長に起訴内容について問われると、こう答えました。

被告(事故当時19) 「よく分かりません。小柳さんと、その遺族に心より謝罪します」

■検察側と弁護側で主張対立

 被告の弁護士は、過失運転致死については認めたものの「危険運転致死にはあたらない」と起訴内容を一部否認しました。

 起訴状によりますと、夜に小柳さんが交差点で右折したところ、被告が運転する車が時速194キロで直進してきて衝突しました。

 法定速度は60キロで、3倍以上のスピードでした。

 検察側によりますと、亡くなった小柳さんはシートベルトがちぎれて車外に投げ出されたといいます。

 検察側は、時速194キロでの走行は危険運転だと主張しました。

検察側 「右折車を回避できないほど、常軌を逸したスピードで走った。(時速)194キロで走ると車体に揺れが生じ、ハンドルやブレーキの操作を誤る恐れが高まる」

 危険運転致死罪にあたる運転には車の進行を制御することが困難な高速度で走行する「高速度危険運転」があります。

 ただし、具体的な速度の定義がないのです。

検察側 「夜間や街灯が少なく暗いと視野や視力が速度に応じて狭くなる。そもそも右折車に気付くことが困難なほど視野や視力が低下する」

 弁護側は、被告は車の進行を制御できていたと主張します。

弁護側 「実際に衝突するまで、被告人の運転した車両は被告人の意図した通りに車線から逸脱することなく、直進することができていた」

 被告は取り調べに対して「買ったばかりの外車で何キロ出るか試してみたかった」などと話していたといいます。

 検察は当初、過失運転致死罪で在宅起訴しました。これに対し、遺族側は「不注意の事故とされるのは納得がいかない」として危険運転致罪の適用を求め署名活動を行い、2万8000人余りの署名を提出したのです。

 そして、おととし12月に危険運転致死罪への訴因変更が認められたのでした。

 亡くなった小柳さんの姉・長文恵さんが今月5日、裁判を傍聴しました。

亡くなった小柳さんの姉 長文恵さん 「時速194キロのこの事故がうっかり過失なわけはないんです。一緒にしてもらったら本当に困る。(小柳さんは)何も言えずに私たち家族のもとからいなくなったが、でも代わりに声を上げられていること、上げてきてよかったなと思います」

 裁判は合わせて6回開かれ、今月28日に判決が言い渡される予定です。

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