ブラジルで開かれていた世界の20の国と地域の首脳が集まるG20サミットが閉幕しました。首脳宣言はトランプ次期政権への配慮も見え隠れするものとなりました。
今回のG20は、トランプ氏への警戒感が広がるなか、各国の協調の難しさも浮き彫りになりました。
今回の交渉の波乱要因となったのは、トランプ氏と先日会談したアルゼンチンのミレイ大統領でした。
首脳宣言の取りまとめの際に、いくつかの分野で承諾できないと離脱する場面もありました。
トランプ氏の意を汲んだとの見方も出ています。
また、首脳宣言ではトランプ氏の再登板で懸念が高まる「保護主義」に関して、反対姿勢を明確にせず一定の配慮をした可能性があります。
今回、トランプ政権発足を前に存在感を高めたのが中国の習近平国家主席です。
積極的なトップ外交を繰り広げ、グローバル・サウスの取り込みを狙ったほか、ヨーロッパ各国との首脳会談を行いました。
西側諸国との関係を安定化させる狙いがあるとみられます。
今後、トランプ氏は個別の外交を優先するとみられ、G20のような多国間協議の地位低下が懸念されています。
分断を避け、国際秩序を保つことができるのか、いよいよ正念場を迎えます。