環境省の有識者検討会は、来年の上半期をめどに石川県の能登地域で国の天然記念物であるトキの放鳥を行う方針を了承しました。
環境省は14日、来年の上半期をめどに能登地域の9つの市と町でトキの放鳥を行い、野生に復帰させる取り組みを展開する方針を有識者検討会に提示し、了承されました。
環境省によりますと、放鳥は年に2回の予定で、野生環境に順応するために3カ月間の訓練を受けたトキを1回あたり15羽から20羽ほど放つとしています。
日本の野生のトキは2003年に絶滅しましたが、中国から贈られたトキの人工繁殖は成功し、2008年には新潟県の佐渡島で初めて放鳥が行われました。
近年は佐渡島以外での飛来も確認されていて、推定で576羽の野生のトキが生息しているということです。
2022年、環境省が本州における新たな放鳥地として、石川県能登地域と島根県出雲市を選出したため、石川県はトキの生息環境の調査や整備を進めてきました。
また、去年の能登半島地震を受けて石川県が策定した復興プランでは、「トキをシンボルとした地域活性化」が掲げられています。
浅尾環境大臣は14日の記者会見で、「今回の決定により関係者の皆様のこれまでのご尽力が実るとともに、震災復興の後押しとなることを期待しています」と述べました。