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ポジティブな発信がSNSで共感 自閉症の娘を育てる母親の講演会「私たち家族はこれからも挑戦を」 岡山

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 岡山県津山市に自閉症の娘や家族との日常をSNSで発信しているお母さんがいます。ポジティブな子育ての様子が反響を呼び、全国から講演会の依頼が次々と寄せられているんです。

 会場を駆け巡る白塗りメイクの女性と、大盛り上がりの参加者。なんとも不思議な光景ですが、子育てをテーマにしたまじめな講演会です。

(自閉症の娘を育てる/蓬郷由希絵さん)
「本当に大変でした、結衣菜を育てるのは。言葉も通じない、何を言っても分からない本当に絶望でした。それでもこの子を育てていかないといけない。障害を家族で受け入れることにしました」

 講師の蓬郷由希絵さんは、津山市に住む4人家族。中学1年生の次女、結衣菜さんは重度知的障害を伴う自閉症です。

結衣菜さん「がんばれー」
由希絵さん「めちゃキレイに干してくれたはなまる、結衣菜、はなまるポン! はなまるポン!」

記者「洗濯物上手に干せましたか?」
結衣菜さん「うん、干しました」
記者「がんばったね」
結衣菜さん「がんばった」

 洗濯物を干したり料理をしたりと手際のいい結衣菜さんですが、幼い頃は言葉を話せず、日常の動作もままならない状態でした。

(自閉症の娘を育てる/蓬郷由希絵さん)
「私はですね、言葉が出ない、早く言葉が出ればいいのに、この子の気持ちが早く知りたいと思った時もありました。でもすぐに言葉は出ません。そんなことよりも彼女が将来生活できるように言葉が出なくても今は生活スキルをしっかり伝えていこうと思ったんですね。障害があれど世の中に出ていくそれまでに当たり前のことを当たり前にできるように」

 自閉症の特性で、物事へのこだわりが強く、環境の変化やコミュニケーションが苦手な結衣菜さん。

 日常生活や学校行事で次々とぶつかる困難を親子でどう乗り越えてきたのか、由希絵さんは1つ1つ丁寧に話します。

(自閉症の娘を育てる/蓬郷由希絵さん)
「行事の度に親子で準備・練習を重ねました。運動会だったらはちまきを巻く練習を家で何度も何度もしました。結衣菜が分かるようにオリジナルのプログラムを作って示したりとか……本当に行事って私たちにとってはとても大きい大きい壁でした。それでも結衣菜がちょっとでもいいから理解して楽しめるように。本当に根性のいる大変な作業でした。時には泣きわめいて最後までできない。苦手なことはしないのではなく、誰よりも早く練習することを親子で頑張ってきました」

 真剣に語る由希絵さんの姿に参加者も、最後は涙。

(自閉症の娘を育てる/蓬郷由希絵さん)
「私たち家族はこれからも挑戦を続けます。わが子に障害があろうとも自分の手から離れるその時まで世の中に出しても恥ずかしくない女性に育て上げることを誓います」

 記念撮影には、会場に同行した結衣菜さんと夫・哲資さんも参加しました。

 インスタグラムでは、17万人以上のフォロワーがいる由希絵さん。親子のユニークなやりとりや子育ての経験などを共有することで、笑顔や元気を届けています。

 京都で開かれた講演会には約140人が参加しました。

参加者「結衣菜ちゃん」
結衣菜さん「こんにちは」
参加者「いつもクッキングライブありがとうね」
結衣菜さん「どういたしまして」

(参加者は―)
「親子3人で(SNSで)きょうの由希絵ちゃんを見て寝るのが毎日の楽しみで、母として子どもにつけられる力はどんなものか自分で考えたい。(Q.由希絵さんに会ってどうでしたか?)うれしかった」

「すごく勇気づけられています子育てに。きょうもすごく感動しました」

「親の視線でかわいがることと甘やかすことは違う。自分の子育てにも生かしたいと思いました」

「ポジティブで明るくて毎日朝のライブ配信を見て今日も1日頑張るぞって1日の始まりの元気の源」

「普段から明るくて話しかけたら盛り上がるような感じ。そんなところが好きです」

「韓国から来ましたきょうの朝3時半に起きて7時半の飛行機で来ました。自然に元気がもらえることと笑顔にしてもらえるところですね」

「母を今介護しているんですが、介護と子育てはちょっと違うけど通じるところもあって毎日ポジティブにインスタを投稿している由希絵さんと結衣菜さんとご家族の皆さんの様子をうかがえて本当に勇気をもらっています」

 たくさんの人と交流した結衣菜さんは―

記者「講演会はどうでしたか?」
結衣菜さん「とっても……撮りました」
記者「たくさんの人に会ってどうでしたか?」
結衣菜さん「いろんな人が、楽しかった」
記者「おつかれさまでした」
結衣菜さん「おつかれさまでーっす」

 SNSから生まれたリアルな交流に由希絵さん自身も励まされているといいます。

(自閉症の娘を育てる/蓬郷由希絵さん)
「また会いに来るからねって言われるのが一番うれしい。少しでも家庭で由希絵さんがこんなこと言っていたからちょっとやってみようとかそういうのを1つでも2つでも持って帰ってくれて、より楽しく育児ができたらいいなと私は思っています」

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