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大阪・関西万博「開会式」も…5カ国がパビリオン開館できず

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開幕が迫った、大阪・関西万博。12日、会場では開会式が行われ、多彩なアーティストらによるパフォーマンスが、繰り広げられました。さまざまな課題も指摘されてきた今回の万博ですが、準備は整ったのでしょうか。(4月12日OA「サタデーステーション」)

■開会式周辺は厳戒 不審物騒ぎも

報告・小山颯ディレクター 「フランス館の前にたくさん人がいらっしゃいます。フランスの要人でしょうか」

報告・庄賀由花ディレクター 「警察のヘリコプターが会場の上空を巡回しています。」

12日、開会式を迎えた大阪・関西万博。テロや妨害行為の未然防止に向けて警備も厳重です。

報告・小山颯ディレクター 「あちら、会場内に警察犬がいます」

2005年の愛知万博の開会式は4000人態勢でしたが、今回はおよそ1万人の警察官が動員されました。

会場の外では、一時騒然となる一幕も。京都駅のホームで駅員が「不審な箱」を見つけ、警備を強化していた警察の爆発物処理班が出動する騒ぎとなりました。調べたところ、中身は外国製の菓子などと判明。この影響で列車が運休になるなどしました。

京都駅にいた人 「けっこう混乱していたかな。構内に不審物発見って書いてあったんで」

報告・小山颯ディレクター(大阪市内) 「こちら会場付近では警察による警戒が行われています」

国内外の要人が訪れる万博。きょうは開会式に合わせて高速道路や伊丹空港周辺の一般道などで交通規制がありました。

■万博「開会式」天皇陛下がお言葉

こうして緊張感が漂うなか始まった開会式。天皇・皇后両陛下や秋篠宮ご夫妻など1300人が出席しました。

テーマソングに合わせて参加国・参加組織の旗を持った旗手たちが勢ぞろいしました。他にも様々なアーティストらによるパフォーマンスも見られ、歌舞伎役者の尾上菊之助さんは伝統芸能を織り交ぜながら「命の輝き」や「躍動感」を表現。

そして、開幕を前に天皇陛下がお言葉を述べられました。

天皇陛下 「大阪・関西万博を契機として、世界の人々が自分自身だけでなく周りの人々の命や、自然界の中で生かされている様々な命も尊重して、持続する未来をともにつくり上げていくことを希望いたします」

これまでも万博と皇室は深く関わってきました。55年前。大阪万博で開会を宣言したのは昭和天皇でした。

昭和天皇(1970年3月) 「日本万国博覧会が開催されることは、誠に喜びにたえません」

この万博には、77か国が参加し6421万人が来場しました。これは、当時の万博史上最多の人数でした。中には、当時10歳の天皇陛下のお姿もありました。外国の文化や最先端の技術に触れ、「動く歩道」も体験されました。

天皇陛下(開会式でのお言葉) 「月の石を見たりワイヤレステレフォンでの通話を楽しんだりして、当時の最新の技術に驚いたことなどを今でもよく覚えています」

大阪万博をキッカケに世界に広く普及された「動く歩道」。今回も…

天皇陛下(開会式でのお言葉) 「次世代の技術やSDGsの達成に向けて世界の取り組みなどにも触れることにより、未来の社会について考えることを願っています」

会場に隣接する夢洲駅には、少し気が早い人も。

万博会場にやってきた人 「待ちきれなくてテレビでよく放送されているので少し先に見に来ようと思って見に来ました」

木造の大屋根を撮影するため一足先にやってきたそうです。

■開幕に間に合わない海外パビリオンも

報告・庄賀由花ディレクター 「万博のシンボル大屋根リングの上です。リングの中には各国の個性豊かなパビリオンが並んでいます」

没入型の展示が注目を集める一方、懸念されていた海外パビリオン建設の遅れ。ラストスパートが進んでいます。

報告・庄賀由花ディレクター 「インド館はまだ工事中ですね。かなり大掛かりなクレーンをまだ使い、外壁工事を行っています」

インド館の関係者 「(Q問題ない?)はい、全力を尽くします。あと3日で完成すると思います」

158の国と地域が参加する中で、5つのパビリオンが開幕に間に合わないことが、12日夜、新たに発表されました。

「工事の遅れ」は以前から問題視されていましたが、日本企業との協力で解決した国もありました。フィリピンのパビリオンは、植物の籐(とう)を編み込んだデザインになっていますが…

在大阪フィリピン共和国総領事館 マウリシオ総領事 「フィリピンの人たちと日本の技術のチームワークによって、思ったより早く完成させることができました」

実は、富山の企業「ATA」が開発した工法を導入したことで、工期を4割短縮することに成功。木材と独自の金物を組み合わせるこの工法で、柱を無くしたまま、大きな空間を作ることも可能になりました。

インドネシアのパビリオンでも、同じ工法で工期を4割短縮。内部を案内してもらうと…

インドネシア ウィディヤンティ観光大臣 「ここはパビリオンの中で自然を表現するセクションです」

柱の無い巨大な空間には、インドネシアの熱帯林が再現されていました。

■海外パビリオン各代表が語る「万博への期待」

一方、13億円をかけて建てられたチェコのパビリオン。伝統産業の「ボヘミアンガラス」をふんだんに使っていますが、ここでは別の日本企業が貢献していました。

チェコ館 オンドジェイ・ソシュカ代表 「このパビリオンは、チェコと日本の企業が協力し合って美しい建物を作り上げた、素晴らしい例になると思います」

大阪の企業「大末建設」が一緒に施工にあたり、予定より3週間前倒しでガラスの取り付けを完了しました。250メートルに及ぶらせん回廊の壁にはアートが描かれる中、なぜか大谷翔平選手を描いた絵も…

チェコ館 オンドジェイ・ソシュカ代表 「チェコの野球選手が2年前、東京でのWBCで大谷翔平から三振を奪いました。何事にも情熱を持って取り組めば、地球上で最高の選手とも戦うことができることを示しています」

チェコは万博公式マスコット「ミャクミャク」とどこか似ているマスコットまで用意し、万博への期待を口にします。

チェコ館 オンドジェイ・ソシュカ代表 「個人的には今回の万博がこの10年で最も大きなイベントの1つになると信じています。チェコ人が才能に溢れ、国際社会に多くのものを提供する創造的な国であることを示したいです」

■戦時下のウクライナも出展

報告・庄賀由花ディレクター 「複数の国が出展する建物なんですが、ありました、ウクライナパビリオンです。今、準備が行われています」

ロシアからの侵攻を受け続けているウクライナも出展。オブジェのバーコードをスキャンすると、戦時下の生活の様子を知ることができます。

ウクライナ経済省 テティアナ・ベレジュナ副大臣 「万博に向けて準備していたウクライナの企業がロシアによる攻撃を受けたこともありました。しかし、万博は全ての困難を乗り越えるための希望です」

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