2023年度に日本国内で排出された温室効果ガスの量はおよそ10億7100万トンで、過去およそ30年間で最も少なかったことが分かりました。
環境省は二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスについて、毎年、日本国内でどれだけ排出されたかを計算して国連に報告しています。
最新の報告によりますと、2023年度の排出量はおよそ10億7100万トンで、統計を開始した1990年以降で最も少なかったということです。
環境省は主な要因として、発電時に二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーや原子力が国内の電源構成に占める割合が増加したことなどを挙げています。
一方、温室効果ガスを巡っては、2050年までに回収する量を増やして排出する量を実質的にゼロにするという国際的な目標がありますが、2023年度は国内の排出量およそ10億7100万トンに対し森林などによる回収量はおよそ5370万トンで、回収率は5%ほどにとどまりました。
環境省は温室効果ガスの排出量がこの10年間で減少しているため、2050年までに排出量を実質ゼロにする目標に向けて「順調に進んでいる」としつつも、今後は回収量を増やす取り組みをより強化することが重要だとしています。