福島第一原発の事故を巡り、東京電力の株主らが旧経営陣に損害賠償を求めた裁判で東京高裁は13兆円余りの賠償を命じた1審判決を取り消し、株主側の訴えを退けました。
東京電力の株主らは、福島第一原発の事故で巨額の損失を出したのは、当時の経営陣が津波や地震の安全対策を怠ったためだとして、23兆円の損害賠償を求めていました。
1審の東京地裁は旧経営陣4人に対し、13兆3000億円余りを支払うよう命じ、双方が控訴していました。
この裁判の主な争点は政府機関が公表した津波地震予測の「長期評価」の信頼性です。
6日の判決で東京高裁は「長期評価」について「原発の運転停止や津波対策工事を指示させることを法的に義務付ける程度に具体的な予見可能性があったと認める根拠としては、必ずしも十分ではない」などと指摘しました。
そのうえで、旧経営陣の責任を認めず、1審判決を取り消して株主側の訴えを退けました。
判決後、株主と代理人は「不当判決」と書かれた紙を掲げました。
また「最高裁まで闘う」として、上告する意向を示しました。
