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インド航空機墜落265人死亡 「壊れたドアの隙間から」“唯一の生存者”語る脱出瞬間

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 インドで航空機が墜落した事故で、唯一の生存者となった乗客の男性は「目を開けたら生きていた」と語っています。なぜ奇跡的に助かったのでしょうか。

■“唯一の生存者”が語った脱出の瞬間

目撃者 「すべて遺体でした。焼かれていました。誰かの足がない、頭がない。燃えてしまっていました」

 12日、インドで起きた旅客機「エア・インディア171便」の墜落事故。事故の爪痕が現場周辺に深く刻まれています。

 インド西部のアーメダバードを発ち、イギリス・ロンドンを目指す予定でしたが…。

乗客の家族 「妹はロンドンに行く予定でした。ロンドンに着く前に墜落しました」

 離陸してすぐ、医科大学の寮などがあるエリアに墜落しました。その間、わずか30秒。インドメディアによると、乗客乗員241人と、墜落現場で巻き込まれた医大生ら24人など、少なくとも265人の死亡が確認されています。

乗客の親族 「今の雰囲気は深刻です。まだ詳しく話せないです。たくさん死体があって認識ができません」

 「過去10年で世界最悪」とも言われる今回の墜落事故で、唯一の生存者が、インド系イギリス人、ビィシュワシュ・クマール・ラメシュさん(40)です。

 なぜあれだけの爆発の中、生存できたのでしょうか。

 映像を見ると、足を引きずりながらも自力で救急車に向かって歩いているのが分かります。白いTシャツには、肩のあたりに血痕がついています。ただ、焦げ跡は見当たりません。

 ラメシュさんが座っていたのは主翼の少し前の“11-A”。目の前に非常口はありますが、飛行中は開閉できません。

 今回離陸した機体は、最高でも200メートルほどしか上昇せず、機首を上に向けたまま墜落していきました。

 絶望的な状況のなか、どのようにして脱出したのでしょうか?

ラメシュさん 「私の席側は地面についていました。機体の外側にスペースがあるのが見えたので、壊れたドアのわずかな隙間から脱出しようとしました。墜落して、自分が着地した場所には隙間があって。どうやって生き延びたのか分かりません。自分も死ぬのかと思いましたが、目を開けるとまだ生きていて、座席ベルトを外して脱出しようとしました。目の前でキャビンアテンダントと乗客が亡くなっていました」

 この生還劇には、イギリスにいる家族も。

ラメシュさんの弟 ナヤンさん 「彼は父にビデオ通話で『飛行機が墜落した。なぜ生きているのか、どうやって脱出したのかも分からない』と言っていました。彼が生きているなんて奇跡です」

■専門家「信頼性が高い飛行機」

 事故の原因究明が待たれるなか、ロイター通信によると、現場からは事故当時の音声などを記録する「ブラックボックス」の2つのうち1つが回収されたということです。

 今回事故を引き起こした「ボーイング787」は「ドリームライナー」の愛称を持つ最新鋭の中型機。世界中で導入され、日本でも高い評価を得ています。

元日本航空機長 SRC研究所 塚原利夫氏 「新しい飛行機で十数年しか経っていませんので、これからどんどん使われていく、非常に信頼性が高い飛行機。パイロットからも人気のある飛行機です」

 事故を起こした機体は2日前、羽田からデリーへ飛んだばかりでした。

 中野洋昌国交大臣は、同型の航空機を所有する、全日空と日本航空、ジップエアの3社に機体やエンジンの確実な点検を指示しました。

中野国交大臣 「航空機の安全運航を確保するために、引き続き事故の情報収集に努めるとともに、(インド当局の)今後の調査の進展を踏まえて必要に応じた対応をしていく」

 今回の事故を受け、アメリカ当局は次のようにコメントしています。

アメリカ当局 「ボーイング787の飛行を停止しなければならないような安全性に関するデータは、まだ確認していません」 

(「グッド!モーニング」2025年6月14日放送分より)

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