岡山県では初めてのケースです。ふるさと納税の返礼品として提供していたコメの調達費が、国の基準を超えていたとして岡山県吉備中央町が対象の地方団体から除外されることになりました。
(村上誠一郎 総務大臣)
「ふるさと納税制度に対する信頼を損ないかねないものであり、大変遺憾であります」
総務省によりますと、吉備中央町は2024年度、4万4000円の寄付に対してコメ、60kgを返礼品として送っていました。
町は2024年10月から2025年3月にかけてふるさと納税のコメを生産者から購入する際、60kg当たり1万4000円の代金に加えて1万1000円の「奨励金」を出していました。町はこの「奨励金」について「調達費には当たらない」としていました。
しかし総務省は町が出荷量に応じて奨励金を交付していたことから、奨励金も「調達費」に当たると判断しました。
奨励金を含めて計算するとこの期間での返礼率は約57%となり、国の基準である30%を上回ります。また、2023年10月から2024年9月にかけての返礼率も約47%と基準を超えていました。
指定の取り消しは6月17日付けで、2年間は指定を受けることができなくなります。これまでにふるさと納税の指定を取り消された自治体は吉備中央町を含め全国で5つで岡山県では初めてです。
取り消しを受けて町民は……。
(息子が返礼品のコメ生産)
「1円でも高く売れるということは農家にとってはいいこと。でも(基準より)高かったなんて知らなかった」
(ブドウ農家)
「吉備中央町のふるさと納税自体はけっこう人気だったと思う。それがなくなるのは心配。町のおいしいブドウがあるっていうのが(返礼品で)お届けできないというのはデメリット」
町は13日夕方、会見を開きました。
(岡山・吉備中央町/山本雅則 町長)
「大変遺憾で残念な判断だったと率直に感じています」
吉備中央町によりますと2024年度のふるさと納税の寄付額はコメを返礼品としたものを含め、全体で11億1100万円余りでした。
(岡山・吉備中央町/山本雅則 町長)
「農業振興政策をやっています。これにはふるさと納税を財源としたものが多いですから影響は本当に大きいものがございますが、これをやめたら、ますます離農(する人)が増えていきます。全体の予算の中で何とか(農業振興を)継続していきたい」