加速する“石破おろし”。25日、自民党の若手議員が「NO」を突き付けました。果たして進退への影響は。
■加速する“石破おろし”
石破茂総理大臣 「急な呼び掛けにもかかわらず、ご参集いただきありがとうございます」
続投か退陣か。自身への包囲網が狭まるなか、25日、石破総理が対峙したのは野党の党首らです。
石破茂総理大臣 「守るべきものは守ったうえで、日米両国の国益に一致する形での合意を実現することができました」
自民党が惨敗した参議院選挙から5日。国会で「党首会談」が行われました。
開催の目的は「相互関税15%」で合意に至った日米関税交渉について説明するというもの。
会談の場には、この人の姿も…。
参政党 神谷宗幣代表 「1、2、参政党!」
参院選で“オレンジ旋風”を巻き起こし、14議席を獲得した参政党・神谷代表が党首会談に初めて参加しました。
参政党 神谷宗幣代表 「私から聞いたのは、日本にとってメリットは何ですかと、一方的に向こうの要求をのんだのですかということ、それに関しては税率が他国よりも低いということなので、アメリカにおける日本製品の競争力が上がったということが、日本のメリットになるのではないかという回答。総理も『言えないこともたくさんある』ということをおっしゃっていました。でも説明しようという気持ち、姿勢は感じられました」
党首会談では、石破総理から「関税合意についての日米共同文書の発出は予定していない」との説明があったといいます。
立憲民主党 野田佳彦代表 「合意文書を作らずにやっていくと解釈の仕方によって、どんどんとまた揺さぶられていく可能性はどの党も懸念として持っていたということは申し上げたいと思う。危ういなという印象を持ちました」
日本維新の会 前原誠司共同代表 「共同文書がないとお互い言っていることが違うということについて、どうやって確認するんだということについても明確な答えは全くありませんでした」
今回の合意内容に懸念を示す各党の党首ら。
一方で、その行方もさることながら野党側の頭にも“ちらつく”のは自民党内で加速する、この動きです。
自民党 富山県連 瀬川侑希青年局長 「総裁はじめ執行部の責任は重く、ケジメを強く求める内容になっている」
参院選の結果を受け、地方組織からも相次ぐ石破総理への辞任要求。25日、「総理の退陣を求める緊急の申し入れ」を行うと明らかにしたのは自民党・富山県連の青年局です。
自民党 富山県連 瀬川侑希青年局長 「党員あるいは県民から、私たちのところに責任の所在を明確にして、しかるべき責任を取ってほしいという声が多数寄せられております」
自民党内では、総裁選の実施など緊急事項の議決権がある「両院議員総会」を開くための署名活動も進んでいます。
■党首会談でも“進退”話題に
“石破おろし”の動きが活発化するなか、当の本人は続投の姿勢を崩していません…。
25日の党首会談でも石破総理の進退に関するやり取りがあったそうです。
国民民主党 玉木雄一郎代表 「トランプ大統領の間で今般の(関税)合意の実施に務めるというふうにおっしゃっていたので、これちゃんと実施するためには相当時間がかかるので、ある意味、石破総理の続投の意欲もきょう強く感じた次第です。実施に務めるというんですけど『いつまでやるんですか』とお伺いしたんですが『そういうことは私は一切言っていない』とある意味、強い続投の意欲を感じました」
共産党 田村智子委員長 「(Q.野党の前で辞任や続投の意思を示す場面は?)最後に『辞めません』と一言言っていましたけど。最後、もう終わる時、席を立つ時にですね」
辞めるのか、辞めないのか。アメリカとの関税交渉が一段落した今、石破総理の周辺では様々な思惑が交錯しています。
閣僚経験者 「自民党内の信頼が得られないと、いくらアメリカと話しても意味がない」
総理周辺 「もし総理が辞めてどうするかという道筋は、誰も描けていないでしょ」
■カギ握る?“青年局”が「NO」
そんななか、自民党本部でも“動き”が…。
午後、石破総理に「NO」を突き付けたのは自民党青年局。
青年局は45歳以下の議員らで構成される組織で、過去には安倍氏、麻生氏、岸田氏など総理経験者も局長を務めました。
「ポスト石破」の1人と目される、この人も…。
小泉進次郎青年局長(当時) 「青年局として被災地に何ができるか考えたい」
東日本大震災直後の2011年10月から2年間、小泉農水大臣も青年局の局長でした。
「出世の登竜門」とも言われるこのポストに現在就くのは、3期目の中曽根康隆氏(43)。中曽根康弘元総理の孫です。
森山裕幹事長と面会した中曽根青年局長。石破総理ら党の執行部に対し、速やかに参院選の総括を終えた後、責任を取るよう申し入れました。事実上の辞任要求です。
自民党 中曽根康隆青年局長 「今、10代から40代の若い世代の票が自民党から離れてしまっている。これにもかなり前から青年局として警鐘を鳴らしてきた。若い世代に対する政策というのも何度も提言をしてきたが、なかなかそれが反映されてこなかった。総裁はじめ執行部の責任は極めて重く、そのケジメを強く求める」
去年の衆院選、今年の都議選、そして今回の参院選。「3連敗の責任を取るべきだ」としました。
自民党 中曽根康隆青年局長 「(Q.森山幹事長の表情や反応は?)我々の言葉は大変重く受け止めていただいている。引き締まったというか神妙な表情で聞いていただいたと思います」 「(Q.手ごたえはあったということ?)我々が伝えていることは重要なことであるということで、しっかりと受け止めていただいたと思います。スピードが大事ですから、文言の通り速やかにやっていただく」 「(Q.党内分裂を危惧する声もあるが?)古い体制を変えていく、政策を考え直す、発信の仕方を変えていく、そういった思いを持って申し入れを出しましたので、党内の分裂を我々が止めることができるものではないですが、我々はそういうことは一線を画したうえで、青年局がやるべきことをしっかりとやっていくということを、きょう幹事長にもしっかり伝えしました」
鳴りやまない辞任要求に総理の決断は。
自民党執行部は28日に「両院議員懇談会」を開き、党内の意見を聞く方針です。