夏の高校野球・岡山大会は準決勝です。準決勝第1試合はここまで無失点の玉野光南に、おかやま山陽打線の火付け役が挑みます!
おかやま山陽不動の1番バッター淺田悠作。ここまで打率はチームトップの4割6分2厘。並みいる好投手を打ち崩し、準決勝まで駒を進めた山陽打線の火付け役です。
(おかやま山陽/淺田悠作 選手[3年])
「ヒットじゃなくてもいい、デッドボールでも相手のエラーでもなんでもいい。自覚と責任を持ちながら打席に立っている」
その淺田、中3の夏に発症した腎臓の病気の影響で、本格的なプレーができたのは高2の春から。今も毎朝薬を飲み検査をする生活を続けています。
(おかやま山陽/淺田悠作 選手[3年])
「野球ができるのは当たり前じゃないって自分が一番わかっている。周りの方の支えがあったからこそ、今の自分がいて野球が続けられている。勝って甲子園にいく」
感謝を返す夏は……まだ終われない。
1回、淺田の第1打席。ここはピッチャーゴロに打ち取られるも積極的なスイングをみせます。
すると山陽は連打などでチャンスを広げ5番・キャプテンの井川が2点タイムリースリーベースを放ち先制。玉野光南にとって、この夏28イニング目にして初失点となります。
さらに1点を追加された光南は4回からエース・石井がマウンドへ。自己最速タイの143キロを出すなど、2者連続三振を奪い流れを引き寄せようとすると、対する山陽の先発・守屋も6回まで光南打線をヒット1本に抑える好投をみせます。
6回ウラ山陽は2アウトながら3塁2塁のチャンス……
ショートへのあたりで光南の選手と審判が接触。3塁ランナーが生還します。
すると一度は「審判の守備妨害」としてホームインを認めず、満塁からスタートすることが説明されましたが、この判定をめぐって試合は約50分中断。最終的に記録は「内野安打」とされ、山陽のホームインが認められました。
長い中断が明け山陽はなおもチャンス。打席には淺田。2本目のヒットは貴重な追加点に。
発症してから4度の入院。2023年の山陽の夏の甲子園ベスト8は病床から見守りました。それでも野球ができるのは全ての人に支えられたから。夢舞台まであと1つです。
【おかやま山陽 7‐0 玉野光南】
(おかやま山陽/淺田悠作 選手[3年])
「最後に自分が甲子園に行ったのは小学6年のときにスタンドで見て以降行ってないので。周りのみんなのためにも甲子園に行けたらと思う」