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「線状降水帯」が九州直撃 一時7市町に特別警報 2人心肺停止 5人安否不明

社会

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 11日未明から熊本県の一部に出されていた大雨特別警報は警報に切り替わりましたが、雨雲は各地に大きな被害をもたらしました。激しい雨のエリアは日本海側に移動し、引き続き大雨災害に厳重な警戒が必要です。

■「線状降水帯」が九州直撃

 熊本県上天草市内を走る車。隣を流れる川を見ると、水位が橋のすぐ下まで来ています。さらに先に進むと、川の向こう側は一面が水で覆われ、グラウンドや体育館も浸水しています。

 お盆休みの九州を襲った「線状降水帯」。熊本県玉名市では24時間雨量が453.5ミリと観測史上最大の猛烈な雨が降りました。

 気象庁は一時、最大級の警戒を呼び掛ける大雨特別警報を熊本県の長洲町と玉名市に発表。その後、宇城市、八代市、氷川町、天草市、上天草市にまで範囲を広げました。

 11日の雨雲の動きを見てみると、特別警報が発表された辺りを中心に激しい雨が降り続く線状降水帯を形成していることが分かります。

■肩落とすオーナー 経営が軌道に乗り始めた矢先の被害

 浸水した家屋。足を踏み出すたびに、水をかき分ける音が響きます。

 リビングの家具も、奥の部屋も浸水。水の深さは、ひざよりも高い位置にまできています。

 半分まで水につかったエアコンの室外機。冷房を使うことはできません。庭も、そしてその先の畑や道路も見渡す限り水で覆われていました。

 水の圧力で曲がったシャッターをバールでこじ開け、中をのぞくと、水に押し流されたのか、足の踏み場がないほど床に物が散らばっています。ビルの地下にある飲食店。10日、ここで起きたことが…。

 階段を勢いよく流れる水。雨水が低い方へと流れた結果、地下へと流れ込み、店舗は一瞬で水にのみ込まれてしまったのです。

 飲食店は、オープンからまだ2年しか経っていない人気の火鍋店。経営がようやく軌道に乗り始めた矢先の被害に、オーナーは肩を落とします。

浸水した飲食店オーナー 「もう泣きたい気持ち。今後はどうしたらいいのか。従業員の今後の生活も心配。皆で協力してやっと落ち着いてきたのに、今回の水害でめちゃくちゃに。もうダメかな」

■土砂崩れに巻き込まれた車…川に流された男女

 各地で土砂災害も相次いでいます。熊本県甲佐町では、避難途中の車が土砂崩れに巻き込まれました。

近所の人 「雨がひどくてやまないから、避難したほうがいいんじゃないかということで動かれた。タイミングが向こうから落ちてきた土砂と重なってしまった。午前3時台ですから雨が多かった」

 母親と子どもは救助されましたが、父親は心肺停止の状態で発見されました。

 熊本県では、自主的なものを含めて842人が避難。2人が心肺停止の状態です。

 大雨の被害は、福岡や長崎でも…。

 福岡県福津市で、60代の男女が川に流されたと110番通報がありました。流された人を目撃した人は、次のように話します。

目撃した人 「助けようと思ったけど、(流される)スピードが速かったんで。僕がここで見た瞬間には、もう2人とも角を曲がって流されていった。玄関下りてきたら、もうここが川になっていて。もうこれ、だめだっていう」

 2人の行方は今も分かっていません。

 福岡県宗像市の美容室。店の奥は一段下がったつくりで、カットの際に使う電動のいすが8つ並んでいます。

オーナー 「水位的には、大体この辺までつかっているんで。モーターが下にある。もう全部だめ」

 店の前が浸水していた時の様子をオーナーが撮影していました。

オーナー 「(Q.なんか池みたい?)プールです」

 映像に映っているワンボックスカーは車体が半分、水の下に沈んでいます。

オーナー 「僕(道を)渡ってきたんですけど、ちょうどこの辺です」

 今回の被害で、復旧には少なくとも1000万円以上がかかるといいます。

オーナー 「もうほんと正直な話、存続するのか、移転をするのか。そういうところの話し合いをやっていかないと」

 九州では5人の安否が分かっていません。

(「グッド!モーニング」2025年8月12日放送分より)

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