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シカに執着 追いまわす姿も 市街地でクマ凶暴化なぜ?

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 男性4人を襲ったクマは今も住宅に居座り続けています。なぜ市街地での出没が相次ぐのか。最前線を取材すると、その理由が見えてきました。

■4人を襲撃 今も住宅居座る

 おりの中でほえ、暴れるクマ。人里への出没がやまないクマの脅威は各地で続きます。

猟友会 「駐在さん、こっちに来ているからやりますよ。集まってください、だんだんとこっちに来るから」

 早朝から警察に猟友会と物々しいここはクマが居座る岩手県奥州市の車庫です。20日午後、「子グマが車庫に入った」と通報が入り、その後もこの場所にとどまり続けました。

 半日以上にわたる攻防の末、クマは捕獲されました。

 20日、男性4人が次々と襲われた秋田県湯沢市。当該のクマはまだ見つかっていません。その同じ湯沢市にある消防署の防犯カメラには、駐車場を疾走する1頭のクマ。自動ドアの前へ行き、立ち上がり、ドアが開くのを確認すると中へ入ります。

 その後しばらく中をうろつくと、クマは走って外に出ていきました。

 クマが入ってきた自動ドアには血がべったりとこびり付いていて、床には血が滴り落ちた跡があります。人を襲ったクマと同一かは分かりませんが、衝撃は計り知れません。

湯沢雄勝広域市町村圏組合消防本部 高橋敦志消防司令長 「戻る時に立ち上がって、マークより高いところに手がいっているので多分(体長)約1メートル50センチくらいはあるのかなと。人的被害も発生する可能性はあった。まさかこんなところにまでクマが来る想定というか…まさかという思い」

 毎日のように人の生活圏に現れるクマ。各地で対策に追われています。

 北海道砂川市では、目撃情報が急増している場所に新たに箱わなを設置。猟友会とその場所を確認すると…。

北海道猟友会 砂川支部 池上治男支部長 「そこに足跡ある、結構でかいわ。これ足跡だから結構でかい」

 至る所に鋭い爪が食い込んだ足跡が。クマに食べられたとみられる農作物も散らばります。

北海道猟友会 砂川支部 池上治男支部長 「だからね、いるぞ。ガサガサしない?匂いしないか?」

 わなには、シカ肉などクマの好物を仕掛けます。

北海道猟友会 砂川支部 池上治男支部長 「これで設置、これでOK。ヒグマがいる姿が目に浮かぶ」

 すると、早くも翌日…。

北海道猟友会 砂川支部 池上治男支部長 「午前11時20分、けさですね…箱わなにクマが1頭入っている」

 成獣1頭が箱わなにかかります。おりを壊そうと暴れまわります。

北海道猟友会 砂川支部 池上治男支部長 「実際にここのところ上の方、かなり曲げている。開けるなよ、壊すなよ」

■シカに執着 追いまわす姿も

 ここまで頻繁に現れるクマは今の時期、この動物に執着しているといいます。シカです。

北海道猟友会 砂川支部 池上治男支部長 「いまヒグマはシカ狩りするから、さっきいたヒグマの同じ足跡だ」

 シカは、クマからするといわゆる“ごちそう”で、冬眠に備え追い掛けています。

 取材中に通った生活道路にも、くっきりと足跡が残っています。

 そのクマによるシカ追跡の様子が分かる映像。雨が降るなか、画面右側へ向かって走る1頭の手負いのシカ。すると直後にクマが。シカのにおいをたどり、後を追い掛けます。さらにまた1頭、別の個体も現れました。猟友会はこのシカとクマの関係性は人間にも影響があるとみています。

北海道猟友会 砂川支部 池上治男支部長 「シカは人間の側で安全だと思ってくる。それを(クマが)追い掛けてくるパターンがある」

 シカの数が増え人里に近付くと、それを追ったクマも必然的に近付いてきます。19日、道路に面した畑に出没した子グマは…。

北海道猟友会 砂川支部 池上治男支部長 「子グマがシカを食べている。シカを一生懸命食べている。逃げる気配はありません。これ寄ると危ない。緊急銃猟するにもちょっと家が見えるし」

 近くに住宅もあるこの場所にシカを食べるクマが居座ります。そして、明らかに地面の盛り上がった部分はクマが獲物を隠している「土まんじゅう」と呼びます。その時クマがいなくても戻ってくる可能性があるため、見つけても近付くのは危険です。

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