警察庁は海外出張中に領収書を偽造するなど捜査費170万円余りをだまし取ったとして、サイバー警察局の前サイバー捜査課長を懲戒免職処分にしました。
処分を受けたのは警察庁のサイバー警察局・伊貝耕前サイバー捜査課長(55)で、階級は警視長です。
伊貝前課長は2022年7月から今年4月までの間、50回にわたって領収書を偽造するなどし、捜査費合わせて170万円余りをだまし取った疑いが持たれています。
伊貝前課長は2022年6月からサイバー警察局の海外連絡担当官としてオランダ・ハーグにある欧州警察機構に派遣されていました。
警察庁によりますと、その期間、海外の治安当局の職員に謝礼として購入した日本酒などの代金について、水増しした偽造領収書を提出して捜査費をだまし取っていました。
また、実際は経費にならない部下との会食費用も海外の治安当局の職員と会食したと偽っていたということです。
さらに、欧州警察機構が主催する交流会用に購入した食料品などについて、機構側から補助金が出ていることを隠して全額を捜査費で負担したと偽っていました。
伊貝前課長の後任の職員が交流会に参加する際、機構側が出費する補助金の存在を知り、どのように扱えばいいのか警察庁に問い合わせしたところ、不正が浮上したということです。
伊貝前課長は帰国後、去年の9月からサイバー捜査課長に就任しましたが、課長時代にも自分のパソコンを使って日付や金額などを加工した偽造の領収書を作り、捜査費をだまし取る行為を2回していました。
さらに捜査が進むなかで、2020年から今年までの間、知人女性との不適切な交際も発覚しています。
捜査にあたった警視庁は今月10日、伊貝前課長を詐欺や背任などの疑いで書類送検しました。
伊貝前課長は不正に得た金の全額を返済していて、「国民の皆様にご迷惑をお掛けし、深くおわび申し上げたい」と話しています。
動機についは「自由に使える金がほしかった」と説明しているほか、領収書の偽造に関して「やってみたら思いのほかきれいにできてしまった」などと取り調べで答えたということです。
警察庁は不正があった時期に捜査費の取扱者だった元サイバー捜査課長2人を捜査費の執行確認が不十分だったとして、「警察庁長官注意」としました。
さらに10日、緊急課長会議を開催して捜査費についてチェックを徹底するように指示したほか、海外治安機関などと係わる海外出張の際、捜査費使用の厳格化を通達しました。
警察庁の首席監察官は「捜査費の適正執行を確保する立場にある幹部職員によるそのような行為は言語道断であり、決してあってはならないもので、国民の皆様に深くおわび申し上げます」としています。