岡山市出身の自由律俳人、住宅顕信を描いた映画「ずぶぬれて犬ころ」が完成し、このほど試写会が行われました。
住宅顕信は五・七・五の定型にとらわれない、自由律俳句の俳人で1987年、白血病のため25歳の若さで亡くなりました。
タイトルの「ずぶぬれて犬ころ」は、顕信の代表作のひとつ。岡山県赤磐市出身で、ドキュメンタリー映画を製作してきた本田孝義監督が初めて手掛けた劇映画です。
(映画「ずぶぬれて犬ころ」/本田孝義 監督) 「僕は今回ドキュメンタリー色みたいなものは極力出さないでおこうと思って撮ったんですよ。劇映画としてきちんとしたものを作ろうと思って」
撮影は、去年9月から10月にかけてすべて岡山県で行われました。
製作費の一部をクラウドファンディングで集めたため、試写会は映画の趣旨に賛同し、出資をした人たちが対象です。同級生からのいじめに苦しむ中学生が、かつて顕信の担任だった教頭先生から顕信の句集を借り、その人生を追っていくというストーリーです。
闘病生活の中から絞り出すように生まれた顕信の句が、ふんだんに盛り込まれています。
(映画を見た人はー) 「僕は顕信をよく知っているので本当に真に迫る顕信でした。非常に感動しました」 「句にかけて生きたっていうその部分に焦点が当てられていたので、その点でとてもいい映画だと思いました」
(映画「ずぶぬれて犬ころ」/本田孝義 監督) 「病のことを詠みながらも人の心の支えになるというか。もっともっと多くの人に顕信さんの句を知ってもらえたらいいなと思っています」
映画「ずぶぬれて犬ころ」は11月11日、岡山映画祭2018で上映されます。11月9日に開幕する岡山映画祭では このほか、映画祭から企画が生まれた美容師の成長物語「かみいさん!」や、岡山市犬島でロケが行われた山崎樹一郎監督の「喜びの劇 ~煙突のある島で~」など22本が上映されます。