アートの島として世界的に有名になった香川県の直島。国内外からの観光客が激減し、美術館も休館していましたが、6月1日から一部が再開しました。現在の島の様子を取材しました。
直島のベネッセハウスミュージアムは、6月1日午前10時に再開しました。
(記者リポート) 「通常時の来場者数は一日200~300人ほどですが、きょうは10人ほどと静かな再開となりました。島全体が穏やかな空気で包まれています」
(直島文化村/笠原良二 社長) 「できる限り、地元の、直島の人が安心できるタイミングで開館していこうということで、6月まで待つことになりました」
ベネッセアートサイト直島には、土庄町豊島と岡山市の犬島を合わせて3つの島に17のアート施設があります。 新型コロナウイルスの影響で3月に2週間休館し、一時再開したものの島民の安全を考えて4月10日から再び臨時休館していました。
そのうち住宅地と距離があり安全に運営ができる6つの施設が、6月1日と2日に時間を短縮して再開しました。 住宅地に近い施設やメンテナンスを行う施設は休館を延長します。
再開にあたり、飛沫感染防止用のアクリルボードなどを設置したり、職員自ら清掃を行ったりと衛生管理を徹底しています。
(スタッフはー) 「美術館なので、作品を見ているときに、無意識に手を触れるということが結構あると思うんです。なのでそういうところを結構意識して、知らずに触ってしまっているようなところを重点的に拭いていっております」
直島町の小林眞一町長は、観光客がいない島の風景が30年前ほど前のような穏やかさだといいます。 瀬戸内国際芸術祭などで多かった海外からの観光客が2月ごろから減り始め、宿泊施設や観光客向けの飲食店などは苦しい状況です。
本村港近くのカフェは多い時で一日に100人以上が来店していましたが、今は一人も来ない日もあるといいます。
(カフェの店員はー) 「島本来の良さみたいなものを味わえる期間なのかなと思って。にぎわっている島もすごく活気があっていいんですけど、こういう一面もすごい良いなと思って過ごさせてもらっています」
ベネッセハウスを運営する直島文化村では、今後状況を見ながら岡山・香川を対象にしたプランも打ち出していきたいとしています。
(直島文化村/笠原良二 社長) 「しばらくは静かな直島が楽しめると思うんですね。まずは地元の人、近隣の方、岡山香川の方、足元に良い場所があるということを自分の足で、少し移動していただいて、普段は直島にわざわざ来ることはないかもしれませんけれども、近隣の方にお越しいただけたらなと思っております」