新型コロナ禍でもビールを飲む時間を楽しんでもらおうという試みです。岡山市の地ビールメーカーが、障害があるアーティストたちの作品をあしらったビールの販売を始めました。
ビール瓶を彩る華やかな絵。描いたのは障害があるアーティストたちです。
英語で「いつもありがとう」「あなたは輝いている」などの言葉が添えられています。
(吉備土手下麦酒醸造所/永原康史さん)
「どういうシーンでも使えるラベルで贈り物ラベルというのはずっとしてみたいなと」
岡山市北区の地ビールメーカー吉備土手下麦酒醸造所です。
緊急事態宣言を受け、営んでいる居酒屋では酒の提供自粛や時短営業を余儀なくされています。醸造するビールの量も多い時の5分の1程度に減っています。
新型コロナ禍でもビールを飲む時間を楽しんでもらおうと、アートラベルのビールのギフト販売を6月4日から始めました。
店にはラベルに採用した作品が飾られています。
(記者リポート)
「ユニークな犬の絵、どんなアーティストが描いたのか気になりますよね、こちらのQRコードを読み込むとアーティストのプロフィールを見ることができるんです」
作品を提供したアーティストは3人。
3人とも岡山市北区の就労継続支援A型事業所「ありがとうファーム」で働いています。
犬を描いた作品がビールラベルに採用された、河原神一さん(62)。軽度の知的障害があります。
(河原神一さん)
「この耳を立ててる意味がありまして…『よく聞くぞ~人の話をよく聞くぞ~』という…。この絵を描いてくれたのは誰だって言ってくれたら追いかけていきますので」
発達障害があるカナッペさん(20)も、作品がビールラベルに採用されました。
(カナッペさん)
「自分の好きな感情を詰めた。親とかに話すとうれしいと言ってくれたのでよかった」
カナッペさんは自身の作品が東京の美術館のグッズのデザインに選ばれるなど活躍の場を広げています。
(カナッペさん)
「あの人障害者だねって言われるんじゃなくて、普通の人と同じようなことができるというようなことをいっぱいしていきたい」
障害があるアーティストたちの自由な作風が光るアートラベル。完全受注生産で1本450円または550円です。
父の日の贈り物に予約する人もいるそうですよ。