暮らしに密着した経済の話題を取り上げる「暮らし×経済」。今回は「新生活の費用」についてです。
春から大学生や社会人になるなど、新生活が始まる人もいると思います。物価高騰で1人暮らしにかかる費用や賃貸住宅のあり方はどう変化したのでしょうか。
「家具・家電付き」で初期費用を抑える
物価高騰で新生活の費用がかさむことが心配される中、家具家電付きの賃貸住宅の物件が増えているそうです。
高松市の総合不動産会社「グローバルセンター」にはこの時期、多くの人が訪れます。
23日、この春から大学生になる息子の賃貸住宅を探しに兵庫県からきた親子の姿もありました。
(春から大学生[兵庫県から])
「今度大学1年生になります。 (Q.1人暮らしは初めて?)初めてです。自転車で通えるぐらいの距離がいいのと家にある程度広さがほしいのが条件かなって思っています」
物件を絞る中で選ぶ基準となったのが……。
(家探しで来高[兵庫県から])
「(Q.どういうところでこちらを選ばれた?)希望としてはできるだけ親の負担がないように家電とか家具がセットされているものがあればいいなってところで、そちらを優先して決めさせていただきました」
1人暮らしを始める初期費用を抑えるため、家具と家電が付いた物件を希望していました。
(家探しで来高[兵庫県から])
「経済的に洗濯機や何からそろえると全然違ってくるので、そういう面はすごく大きいと思います」
(松木梨菜 リポート)
「こちらの部屋にはソファや照明、カーテンなどの家具が付いています」
高松市で7つの店舗を構える総合不動産会社「グローバルセンター」によると、家具・家電付きの賃貸物件は2025年と比べて大幅に増えているそうです。
(グローバルセンター/谷口文香 取締役)
「今募集させていただいている物件で昨年の約4倍増えています。引っ越しも今までだと大きいトラックに家具家電を運ぶという流れでしたが、自分たちの乗用車だけでも引っ越しできるような状況ですので、(引っ越し費用も)抑えられていると思います」
近年の物価高騰の影響などもあり、賃貸住宅のあり方も変わっているようです。
1人暮らしの費用はどれぐらいアップした?
1人暮らしにかかる費用はどれぐらい変化しているのでしょうか。まずは生活に必要な家具・家電の費用です。
全国大学生活協同組合連合会が保護者を対象にした調査によりますと(保護者に聞く新入生調査 2025年度調べ)、2025年度、1人暮らしの家具・家電などの生活用品の購入費用は31万9000円で、前の年度より増えています。
また全国の大学生約1万人を対象に、1人暮らしの費用を調べたものによりますと(学生生活実態調査 2025年度調べ)、食費や住居費、交通費などの支出の総額は13万8020円で、2015年度と比べて物価高騰の影響などで2万円ほどアップしている結果となりました。
所有から利用へ…定額サービスに注目集まる
1人暮らしでの費用が上がる中、注目が集まるのが家具の定額サービスです。
(ニッセイ基礎研究所/久我尚子 上席研究員)
「家電や家具に関してもサブスクリプションサービスで借りることができるサービスも普及してきましたので、必ずしも一式全てを購入する必要がなくなってきています」
消費行動に詳しい専門家によりますと、消費者の価値観が所有から利用に変わってきているため、家具などの定額サービスが定着すると分析しています。
カメラや家電、ベビー用品などさまざまなもののレンタルなどができる「レンティオ」は7400種類以上の商品を取り扱っています。
月額制プランでは、購入すると10万円を超えるドラム式洗濯乾燥機や冷蔵庫の家電などをそれぞれ決められた月額料金で借りることができます。
(ニッセイ基礎研究所/久我尚子 上席研究員)
「カーシェアであるとかファッションとか家具家電など、生活のいろんな領域に借りて楽しむサービスが普及していますし、特に若い世代ほどモノを買って持つよりも必要な時に必要な量だけ利用できればそれが一番スマートな消費だという価値観が強まっていますので、需要が強まっていると思います」
物価高が継続する中での心理も関係しているようです。
(ニッセイ基礎研究所/久我尚子 上席研究員)
「直近では物価高が継続している中で、可処分所得が増えているわけではないので、できるだけ消費の失敗をしたくないという意識が強くなっていると思います」
新生活には費用がかかりそうですが、新たな動きとして暮らしの中でさまざまな定額サービスが出てくるかもしれません。
(2026年2月25日放送「News Park KSB」より)