2021年3月、香川県三豊市の父母ヶ浜にユニークなお店がオープンしました。商品と一緒に販売しているのは、「物語」です。
店の名前は「百歳書店」。とは言っても、本を売っているわけではありません。
店内には玄米やお酢、オリーブオイルなど、三豊市を中心に香川県の農家や企業が手掛ける約50点の商品が並んでいます。
(百歳書店/小塚智史 店長)
「商品は100年以上続いてきたものや、これから100年先も続いてほしいと思えるものを集めています」
商品の隣には、文庫本のような青い本が添えられています。これは、商品の作り手が伝えたい「思い」や「物語」などをつづったもので、途中から白紙になっています。
(記者リポート)
「お客さんがメッセージを書いて投函箱に入れると、この本の新しいページとして、追加される仕組みになっています。お客さんと作り手の想いが重なり合って、新しい物語が生まれます」
三豊市で100年以上農業を続けている「ハラシモベース」の生キャラメルは、アレルギーのある子どもにもおいしく食べてほしいという思いを込めて、さつまいも、キャベツなどの野菜や豆乳で作っています。
お客さんからは「温かさと優しさと、愛が伝わります」というメッセージが……。
(百歳書店/小塚智史 店長)
「『百歳書店』という、本屋さんっぽい名前なんですけど、『書店』という、『書いてもらう店』なんです。(作り手とお客さんが)伝え合うような本になっていけたらいいなと思っています。応援メッセージとか、本を読んで熱い思いを感じて買いましたとか、そういうのがあると、私たちもうれしいと思います。せっかくなので、本を手に取って読んでいただいて、1ページをつづってほしいと思います」
応援、感動、喜び……お客さんからのメッセージが届くたびに物語は深みを増し、次の100年へと受け継がれていきます。