9月10日は「中秋の名月」です。昔から、月の中には「ウサギ」が見えるとよく言われますよね。その由来について、「うさぎ寺」と呼ばれる善通寺市の寺で聞いてきました。
屋根の上にウサギ、瓦にもウサギ、親子のウサギも!
四国霊場第74番札所、善通寺市の甲山寺、通称「うさぎ寺」。境内のさまざまな場所に置かれたウサギの形をした瓦や石像は大小あわせて16羽。
甲山寺にウサギが置かれ始めたのは本堂が建てられた江戸時代中期から。本堂にまつられている「月光菩薩」にちなんでいます。
甲山寺のふすまには月光菩薩が持つ月の中にウサギが描かれています。
(甲山寺/大林教善 住職)
「月光菩薩の中に月を描いていて、月の中にそのウサギさんを描いていて、やっぱり一番なじみの深い動物だしね、そういうものが屋根瓦に置けばというところだと思います」
月にウサギがいるというのは、インドに伝わる物語が由来で、グリム童話や日本の昔話にも影響を与えたと言われています。食べ物に困った人に自分の身を差し出そうとしたウサギの優しい心を多くの人に伝えようと、仏様が月にウサギの姿を描いたと言われています。
「中秋の名月」は旧暦の8月15日の夜に見える月のこと。年によっては月齢がずれることもありますが、2022年はちょうど「満月」です。
まん丸な月を愛でながら、優しい心を持つウサギに思いをはせてみませんか?
(甲山寺/大林教善 住職)
「月はやっぱり円満な丸い良い形をしております。何事も丸く円満に。皆さんにとって心安らかになるように」