いよいよ18日に開幕するサッカーJ2・ファジアーノ岡山。悲願のJ1昇格へ向け、4部リーグからはい上がってきた苦労人が、静かに闘志を燃やしています。
昨シーズン、クラブ史上最高となる3位に入り、昇格まであと一歩に迫ったファジアーノ岡山。大きく貢献したのが、正確な右足からチーム最多の10アシストを記録した、サイドバックの河野諒祐です。
(ファジアーノ岡山/河野諒祐 選手)
「充実感ある中でやれてはいたんですけど、昇格という大きな目標はつかみ取ることができなかったので、今年に懸ける思いは昨年以上のものがあります」
2013年、18歳にしてJ1の湘南でデビューを果たした河野。しかしプロの壁は厳しく、デビューからわずか1年半、19歳の若さで契約満了を告げられました。その後は、4部リーグに相当するJFLのクラブに移籍。スポーツ用品店の店員として働きながら選手を続け、ここまではい上がりました。
(ファジアーノ岡山/河野諒祐 選手)
「今の自分を作る土台になったと思いますし、自分次第でいくらでも人生変えられるっていうのを、自分は身をもって経験してきた。ずっとトップでやれているのも素晴らしいキャリアですけど、はい上がっていくことによって伝えられることもあると思うので、自分はそういうところで選手としての価値を示していきたい」
ファジアーノに移籍して2年目の昨シーズン。序盤は結果が出ず若手にスタメンを譲り、レギュラー落ちの危機に陥りました。
(ファジアーノ岡山/河野諒祐 選手)
「厳しい状況だなとは思っていましたけど、ここで何ができるかだと思って」
5月に4試合ぶりのスタメンをつかんだ河野。後半14分に鋭いクロスからゴールを演出。これまでのサッカー人生で培った「逆境での強さ」を発揮し、再びレギュラーに返り咲きました
(ファジアーノ岡山/河野諒祐 選手)
「自ら逆境を望んでいる訳ではないんですけど、逆境に立たされた時こそ、その人の本当の価値が求められていると思うので、折れずに愚直にやり続けられたという自負はあります」
一度どん底に落ちながらJ3、J2と這い上がってきた苦労人。その目が見据えるのは「頂」だけです。
(ファジアーノ岡山/河野諒祐 選手)
「(昇格を)つかみかけたところまでは行ったと思うので、昨年以上の強い気持ちで今シーズンは何が何でもつかみとりたい」