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「姿が消えた…」絶滅危惧IB類・ダルマガエルの生息地に残った“爪痕” 岡山・倉敷市〈西日本豪雨から5年〉

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 西日本豪雨が発生した倉敷市真備地区は絶滅の危険がある希少なカエル・ダルマガエルの貴重な生息地です。しかし、豪雨から5年が経過し生息地の一部では「姿を確認できなくなった」との声が出ています。真備地区のダルマガエルの今を取材しました。

 倉敷市真備地区の夜の田んぼにやってきました。

 声の主はずんぐりした体型からその名が付いたダルマガエル。環境省は「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」絶滅危惧IB類としていて、現在、ごく限られた条件の田んぼなどに生息しています。

 真備地区は岡山県最大の生息地です。

 2018年7月の西日本豪雨は貴重な生息地に爪痕を残しました。

 環境省の委嘱でダルマガエルの調査・保全に取り組んでいる伊藤邦夫さん(78)は、約20年に渡り、田んぼから溝に落ちてしまったダルマガエルを救出し、数を数えています。

 豪雨の2週間ほど前に13匹豪雨の2カ月後にも11匹を確認。しかし、2020年7月以降は1匹も見つかっておらず、6月の調査でも確認できませんでした。

(環境省の委嘱で調査・保全/伊藤邦夫さん)
「この一帯のダルマガエルが姿を消したかもしれませんね」

 伊藤さんは豪雨で流されたカエルが、その後、子孫を残せず、徐々に減っている可能性があると懸念しています。

(環境省の委嘱で調査・保全/伊藤邦夫さん)
「岡山であちこちで姿を消していて、真備町は大丈夫と思っていましたから、まさかあんな豪雨災害が起こると……」

 真備地区の別の場所です。豪雨の直後にはダルマガエルの数が激減しましたが、現在、回復傾向にあるという貴重な田んぼです。

 ダルマガエルの保全には今後の稲作の維持も課題となります。

(環境省の委嘱で調査・保全/伊藤邦夫さん)
「ここは休耕田と水田が、しかも、素掘りの溝が残されたダルマガエルの天国というふうに思いますね。それに変わるところがあるかと言われると見つけ出しにくいと思います」

 今、ダルマガエルは繁殖シーズンを迎えています。

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