東かがわ市教育委員会の後援を受けて開催するとしていた現代アート展が開かれず、アーティストらが困惑しています。東かがわ市は「後援していない」としてホームページから「後援」の表記を削除するよう主催者に求めました。
(記者リポート)
「こちらでは、屋敷を取り囲むように木の板や枝でできた作品が展示されています。しかし、作品の説明書きはどこにも見当たらず、敷地内に入ることもできません」
問題になっているのは「HIKE!HIKETAー東かがわ国際芸術祭ー」と題したアート展です。東かがわ市によりますとこのアート展は活動実態がなく、複数のアーティストから相談を受けているということです。
東かがわ市は現在、夏会期が開催されている「瀬戸内国際芸術祭」と名前が混同するとして変更を求めていました。またホームページに「東かがわ市教育委員会が後援」という事実と異なる記載があるとして、20日主催者に削除するよう要請しました。
(東かがわ市/上村一郎 市長)
「瀬戸内国際芸術祭はアーティストのみなさんももちろんのこと、実行委員会の皆さん、そして地域の皆さんが汗をかいて良い芸術祭になっています。(瀬戸芸に)水が差さないようになったら良いなと思います」
また、このアート展のホームページには「香川県政策部文化芸術局文化振興課と連携し」と掲載されていました。
香川県によると2024年度はアート展のプレイベントを「かがわ文化芸術祭」の参加公演・行事として承認していましたが、2025年度は申請がなく、香川県は誤解を招くとして主催者に削除を要請。現在は削除されています。
20日、「アート展の運営側」と名乗る男性がKSBの取材に応じました。「活動実態がない」という指摘に対しては、「一部の作家が作品を無断で持ち去るなどの嫌がらせや金銭トラブルが原因で、活動する意思はあった」と反論しています。
また「2025年度は香川県や東かがわ市の後援や連携も受けていないが、ホームページ作成者と連絡が取れないことや、一連のトラブルによる心身の不調により、2024年度の情報から更新できていない」と説明しています。
一方、出展の勧誘を受けたアーティストは「運営側の姿勢に問題があったのでは」と指摘しています。
(出展の勧誘を受けたアーティスト/久木田大地さん)
「作品を取り扱うための契約を何もかわしていない。ディレクター(運営)側が対応していない状態だった。そもそも取り決めがない」