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【解説】「花火大会」復活の動きも…規模縮小、会場変更など花火を取り巻く状況に“変化” 岡山・香川

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 夏の風物詩である「花火」。コロナ禍では「中止」が相次ぎましたが、2023年は各地で「復活」の動きが出てきています。そんな中、コロナ禍を挟んで花火大会を取り巻く状況も変わってきています。

花火大会復活も…値上げの波が影響

 夜空を彩る花火。コロナ禍で大規模な花火大会の中止が相次ぎましたが……2023年は?

(森上煙火/森上真夢 社長)
「忙しくなってきています」

 岡山県で唯一、花火の製造から打ち上げまでを担う「森上煙火」は、花火シーズンを迎え、日々準備に追われています。

(森上煙火/森上真夢 社長)
「倍近くお祭りが復活している感じです」

 新型コロナが5類に移行し、2023年は各地で花火大会が「復活」しています。一方、新たな問題も……。

(松木梨菜リポート)
「花火自体も物価高騰の影響を受けていて、1玉2~3割ほど去年より値上がりしているといいます」

(森上煙火/森上真夢 社長)
「材料が高騰していて、既存の予算でとなると発数が以前よりも少なくなってきてというところもあるんですが、そこをうまくカバーするように」

 打ち上げる数が減る中で、森上煙火は「魅せる演出」で記憶に残る花火を目指しています。

(森上煙火/森上真夢 社長)
「継続して今年あるお祭りが、世代が変わった時にもお祭りがあるっていうことが一番いいことだと思うので、地域の人に愛されるお祭りになるように花火を安全に打ち上げたいと思います」

 値上がり以外にも「花火大会」を取り巻く環境は変わってきています。

 それが、人手不足の影響などによる「警備費」の高騰です。2001年に兵庫県明石市で花火大会の見物客が転倒し11人が亡くなった事故を受けて、花火大会の警備は全国的に強化されました。

 多くの人員が必要な中で物価とともに人件費も上がっています。

 花火の振興に取り組む日本煙火協会によると、これらの状況を受けて、警備費が以前の2倍以上になった花火大会もあるということです。

 花火大会を巡っては、岡山市の中心部、旭川の河川敷を会場にして40年以上行われてきたイベントがコロナ禍前の2018年から中止になっています。

 大会の事務局である岡山商工会議所によると、中止の主な理由は観覧エリアである河川敷周辺にキャパシティーを超える人が集まりすぎたため、安全を確保できないことです。

 コロナ禍が明け、花火大会復活の動きが全国でありますが、各地で人が殺到している状況をみると、岡山市で以前のような方法で開催するのは難しいとしています。

開催場所を◯◯に変えて花火大会を復活させるところも

 開催に向けて安全面が課題となる中、場所を変えて花火大会を復活させるところもあります。

(丸亀市 産業観光課/平尾 聖 課長)
「令和元年にやったのが最後で、コロナの関係でずっと中止という形を取ってましたので久方ぶりの花火になります。レオマの方で開催するということになりました」

 2000年に始まった丸亀市の花火大会は、これまでは海沿いのエリアが会場でした。市によると、2019年は6000発が打ち上げられ、約7万人が訪れました。

 そんな中、4年ぶりの開催となる2023年、場所を「レオマリゾート」に変更した理由の一つが「周辺の混雑」です。

(丸亀市 産業観光課/平尾 聖 課長)
「いろいろ検討した中で最終的には丸亀湾での開催は無理だろうという結論に至りました。駐車場をたくさんお持ちになられているということで、混雑もある程度緩和できるのかなということでレオマにお願いしました」

 レオマリゾートは約4500台の駐車場を完備しています。4年ぶりの花火大会のため多くの人が訪れることも予想されますが、丸亀市はレオマリゾートの設備でカバーできると考えています。

 4年ぶりの花火大会は8月26日午後8時から約3200発が夜空を彩ります。

 丸亀市は来場時間を分散させるため、市民の入園を午後2時以降無料にしています。

(丸亀市 産業観光課/平尾 聖 課長)
「今回の状況を見ながら今のところ継続してレオマさんにお願いしてやっていただきたいと考えております」

 岡山・香川で開かれる主な花火大会は以下です。

■8月6日 津山納涼ごんごまつり
■8月11日 第58回さかいで大橋まつり
■8月13日 さぬき高松まつり
■8月13日 ひなせみなとまつり

 高松市では8月13日に5年ぶりに開催されますが、規模を縮小します。10分間で3000発を打ち上げます。

 サンポート周辺で再開発が行われていて観覧エリアが狭くなるため、安全面を考慮して縮小して行います。

 自治体も安全や警備の強化で頭を悩ませているのが分かります。日本煙火協会は、クラウドファンディングで資金を募る形態も増えるのではとみています。

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