プロバスケットボールB3・香川ファイブアローズは、6日に始まる新シーズンでB2昇格を目指します。さらに、リーグの構造が大きく変わる2026年に向けて高い目標を掲げました。
昨季、香川ファイブアローズはB2の西地区で16勝44敗の最下位となり、B3に降格。地区優勝を果たしてB1昇格まであと一歩と迫った前シーズンから一転、悔しい結果となりました。
(ファイブアローズ/生岡直人 社長)
「B2復帰という結果にこだわって、『香川ファイブアローズが香川にあって良かったな』と、そう思っていただける1年にしたいと思います」
今季は「B2復帰」のほかにも、ある目標を掲げています。
(ファイブアローズ/生岡直人 社長)
「平均観客入場者数が倍、去年が758人ですから、その倍を実現する。そして売上高は、今2.4億円です。1.6億円積み上げる。香川ファイブアローズはここを必ず達成します」
背景にあるのは、「Bリーグの改革」です。
Bリーグは、2026年に始まるシーズンから、試合結果による昇格や降格を廃止。「売り上げ」や「観客数」などに応じて、チームを3つのカテゴリーに分けるなど、大きく構造が変わります。
(Bリーグ/島田慎二 チェアマン)
「資金を投下できるクラブが一気に上に上がっていくことがトレンドになってきている。地方のクラブであったりとか、資金的に厳しいクラブが、常にB2とかB3(にいる)。経営力格差によって、(チーム力の差も)如実に表れていきます」
島田チェアマンは、「資金力=強さ」となっている現状では、選手獲得のための投資が先行してしまっていると指摘。これを、「売り上げ」や「観客数」でカテゴリーを分けることで、事業や地域貢献などへの長期的な投資を促したいとしています。
(Bリーグ/島田慎二 チェアマン)
「クラブの考え方とか地域によって、いきやすい選択可能なディビジョンを3つ用意したイメージ。成長プロセスでいつでも上を狙えると」
新しいカテゴリー分けの審査は、今季から行われます。
ファイブアローズは上から2番目のカテゴリーを目指すとしていますが、そのためには今季、売り上げ4億円、平均観客数1500人を達成する必要があります。
ファイブアローズの昨季の売り上げは2億4000万円で目標の6割。平均観客数は758人で目標の半分ほどでした。
ファイブアローズの平均観客数は、B2・14クラブのうち最も少ない数字でした。それでもファイブアローズはB3に降格した今こそ、経営改善に取り組むチャンスと捉えています。
(ファイブアローズ/生岡直人 社長)
「しっかりと、もうちょっと地に足をつけて、クラブとして、企業として、どういうふうに地域とつながり、地域に愛され、必要とされるクラブになるかをしっかり見直す機会だなと」
今シーズンは、中学生以下が無料で観戦できるキャンペーンを始めるほか、県内の17市町全てで清掃活動を行うなど、地域に根差した活動を展開します。
(ファイブアローズ/生岡直人 社長)
「ファイブアローズが地域の清掃活動をしているということが当たり前になって、『あれ? 何でいないの? なんできょうはいないんだろう』っていう状態を作りたい。『ファイブアローズを知ってもらう』じゃなくて、『ファイブアローズは何をしているんだ?』っていうところまでいかないと」
選手13人のうち10人が新加入で、陣容が大きく変わった新生ファイブアローズ。「B2復帰」と「経営の強化」。2つの大きな目標に向かって新シーズンを戦います。
(香川ファイブアローズ/上良潤起 キャプテン)
「いろんな方々と僕たちがつながっていかないと、チームとしても良くならないと思っていますし、去年いたB2リーグに戻るっていう気持ちで、僕自身しっかりキャプテンとして、チームを引っ張っていけたら」
香川ファイブアローズは6日に神奈川県で今季開幕戦に臨みます。ホーム初戦は10月14日、午後6時から高松市総合体育館で徳島と戦います。